横田運送、超低床セミトレ導入 岡山―福岡 車両の大型化進め 室内高2.8メートル確保
物流企業
2019/02/26 0:00
【岡山】横田運送(横田耕太郎社長、岡山県総社市)は、3軸の超低床セミトレーラ(ウィング車)を2台導入した。1台は18日から、もう1台は3月1日から岡山県―福岡県の定期便輸送に投入する。地上高を一般制限値内の3.79メートルに収めながら2台ともウィングの室内高を2.80メートル、積載量23.4トンを確保。また、被けん引車両の車長は14メートルで基準緩和認定を受け、荷主の要望に応えた。人手不足に対処するため、同社では今後、車両の大型化を進めていく。(江藤和博) タイヤは幅23.5センチ、外径70センチで、通常より幅広で小さいタイヤを取り付けることで室内高を増やした。バーストなどの事故を防ぐため、タイヤ空気圧・温度センサーも取り付けている。また、地元の観光振興を狙い、2台とも後部扉に総社市の備中国分寺五重塔をラッピングした。 更に、トラクタの新車を1台導入、2台目の増車を検討する。 同社は2018年4月、閉店したスーパーマーケットの土地・建物を賃借する形で福岡営業所(敷地4950平方メートル、荷さばき場1520平方メートル)を開設。新型セミトレーラは主として、福岡営業所まで2段積みラックで農業機械部品を輸送する。 今まで福岡行きの荷物は夕方に岡山を出発、翌朝に荷下ろし後は待機時間が発生していた。福岡営業所に夜勤従事者を常駐させることで、夜間に荷下ろしした新車はそのまま岡山に帰ることができる。また、現地仕分けが可能になり、荷役作業も効率化している。 横田社長は「今後、中京・関東地区など片道500キロごとに営業所を開設し、乗務員の負担を軽減していきたい」と話している。また、保有車両は現在93台で、半分程度は2トン車、4トン車で占められているが、大型車やトレーラに代替して輸送効率を高め、人手不足に対応していく。 横田氏は「社員の紹介制度のほか、2016年から新車を積極的に導入し、今のところ、ドライバーは確保できている。ただ、管理職が不足しており、今後は育成にも力を入れていきたい」と意欲を示す。 横田運送は1994年3月に設立。リーマン・ショックにより一時的に経営危機に陥ったが、その後は輸送品目の分散化を進めて着実に業績を伸ばし、2018年3月期は売上高7億5千万円(前の期比10.6%増)。19年3月期は9億円(前期比20%増)を見込んでおり、早期の10億円突破を目指す。 【写真=後部扉に備中国分寺五重塔をラッピング】