改善中央協議会、農水・経産・環境省も参加 ホワイト物流の検討進める
行政
2019/02/26 0:00
厚生労働、国土交通の両省が共催している「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」(野尻俊明座長、流通経済大学学長)と「トラック運送業の生産性向上協議会」の合同会合で、正式メンバーに農林水産、経済産業、環境の各省が加わった。各省の局長クラスが参加し、新たにホワイト物流推進運動の実務的な検討を進めていく。 20日の会合では、委員として農水省の新井ゆたか食料産業局長、経産省の藤木俊光・大臣官房商務・サービス審議官、環境省の森下哲地球環境局長が新たに名を連ねた。 国交省自動車局は、2016、17年度に全都道府県で取り組んだパイロット事業に引き続き、18年度に17都道府県で実施したコンサルティング事業のうち愛知、広島両県での取り組み状況を紹介。愛知県で物量の平準化や運送事業者への集荷量伝達の早期化、センターでの作業時間の事前共有などによるドライバーの待機時間削減、広島県ではレンタルパレットの活用による積み込み・積み下ろし時間の短縮に向けた実証実験にそれぞれ取り組んだことを伝えた。 また、荷待ち時間が特に長い輸送分野での取り組みについても報告。加工食品、紙・パルプの洋紙・板紙、家庭紙の両分野、建設資材の計四つの懇談会を設置し、それぞれ課題解決に向けた検討を行っていることなどに加え、改正貨物自動車運送事業法の概要について説明した。 更に、農水省食料産業局が物流を含む食品流通合理化の取り組みを、厚労省労働基準局はトラック運送業の働き方改革に向けた諸施策を、それぞれ報告した。 意見交換では、ホワイト物流推進運動について、辻卓史委員(全日本トラック協会副会長)が「改正事業法に盛り込まれた措置や、全ト協で定めた働き方改革の行動計画に基づいた取り組みと重複する」として施策のすみ分けを要望。これに対し、自動車局は「重複するところもあるが、それぞれの主眼は、改正事業法が荷主の配慮義務や法令順守、ホワイト物流運動はドライバーが働きやすい環境の整備」(谷口礼史総務課企画室長)と説明。その上で、「改正事業法の周知も併せて行いたい」と答えた。 19年度から新たに実施するアドバンス事業に関しては、馬渡雅敏委員(全ト協副会長)が「地域によっては省庁の出先機関が改善に関心の無いケースがある。農政局や経済産業局も関わって欲しい」と要望した。(田中信也) 【写真=コンサルティング事業の取り組み状況を紹介】