キーペックス、温度管理物流に参入 複数温度帯倉庫を開設 PC工法で免震強化
物流企業
2019/02/19 0:00
【千葉】キーペックス(斉藤進社長、千葉市中央区)は、温度管理物流に乗り出した。本社隣接地に、複数温度帯に対応した新倉庫「千葉センター第二倉庫」を1日開設し、12日から業務を開始。書類保管をメインに展開する中、書類の電子化による将来的な需要減少に対応するため、温度管理物流事業を先を見据えた新たな事業に成長させる。(井内亨) 書類保管事業の業績は順調に推移している半面、電子化で需要は減少すると想定して新事業を検討。斉藤社長が参加した企業交流会で「多くの温度帯を扱う倉庫が1カ所にあったら便利」という声をもらうなどの過程を経て、今回の新倉庫開設に至った。 斉藤氏は「倉庫開設を決断する時、『できる理由を見つけることが経営者の役割』だと感じた。投資額もリスクも大きいが、業績が伸びているタイミングで着手することにした」と振り返る。 新倉庫は敷地面積2980平方メートル、鉄骨鉄筋コンクリート造り4階建てで、延べ床面積は5150平方メートル。4階から順にドライ、セ氏11~20度(定温)、0~10度(冷温)及び10~マイナス5度(冷蔵)及び0~マイナス25度(冷凍)、ドライ・冷蔵の各フロアを設けた。 更 に 、プ レ ストコンクリート工法(PC工法)による免震構造を採用。中小規模の倉庫では、免震性に優れた複数温度管理対応は珍しいという。 一方、新倉庫に対して、冷凍食品に関する問い合わせが殺到しており、こうした需要を踏まえて2月または3月から工事に着手し、冷蔵倉庫を冷凍にも対応できる可変式とする。斉藤氏は「仕事のあるありがたみについて、常日頃から会長に教わっている。できる限り要望に応えたい」と話す。 当面は老舗洋菓子店の荷物を取り扱い、オペレーション構築やノウハウ蓄積、顧客との信頼関係構築に注力。多数の冷凍需要に対しては、可変式への工事完了後に順次交渉を進めていく。将来的には、医薬品などのメディカル製品の取り扱いも見据えている。 また、同社では今後、書類保管倉庫の「八街センター」(千葉県山武市)を増築。平屋建てで床面積4960平方メートルの新棟を早ければ年内に着工する意向で、将来的には、同規模の平屋建てを2期工事として建設する方針だ。 【写真=1日開設した千葉センター第二倉庫】