ギオン、タイに進出 輸配送業務を展開 国内は大型施設稼働へ
物流企業
2019/02/19 0:00
ギオン(衹氏園義久会長兼社長、相模原市中央区)はタイに進出し、輸配送や倉庫業、輸出入業務を展開する。同社にとって初の海外進出となる。国内では、2022年秋をメドに相模原市南区に延べ床面積12万平方メートルの大型物流施設を稼働させるほか、軽貨物自動車を増備。年内にも千台体制とし、インターネット通販の宅配を中心とするラストワンマイル事業を拡大していく。(吉田英行) タイでは首都バンコクに現地法人を設立し、1月15日から営業を開始。2月には、チャチェンサオ県にある工業団地「ゲートウェーシティー」に大型倉庫を建設するための手続きを済ませた。同国では輸配送、倉庫管理、輸出入業務といった物流事業を手掛ける。また、同国を基盤に、東南アジア諸国でのビジネスも積極的に展開していく計画。 国内では、相模原市が区画整理事業を進めている同市南区麻溝台・新磯野地区に、大型物流施設を建設する。敷地面積5万3500平方メートル、5階建てで、延べ床面積12万平方メートル。21年4月に着工し、22年10月の竣工を目指す。BTS(特定企業入居)型も視野に入れており、テナントの要望に応じた仕様とする。 また、20年2月には、大和市の東急田園都市線・中央林間駅近くに、冷蔵・冷凍設備を持つ物流施設を開設する。大手スーパーの専用食品センターとなる予定で、庫内作業の担い手となる女性労働力の確保に向け、託児所を併設。麻溝台・新磯野地区の大型施設稼働の前段階として、人材確保に向けた各種施策の実証実験を兼ねて稼働させる。 更に、ネット通販市場の拡大に伴うラストワンマイル需要の増加を見込み、軽貨物事業を拡大する。現在、子会社のギオンデリバリーサービス(衹園義久社長、相模原市中央区)が手掛けている、軽自動車による通販商品や食品の宅配といったBtoC(企業―消費者)ビジネスを強化。年内にも、軽貨物車を千台まで増やす。 8日に相模原市で行われた「ギオン新春の集い」で、衹園会長兼社長は「ラストワンマイルを制する者が日本の物流を制する。今後、軽貨物車を考えずして物流は成り立たなくなるだろう」と話した。 【写真=タイで建設を計画している大型倉庫(完成予想図)】