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エスライン、「eキャンター」運行開始 中部で初 グループ2社に計5台 環境負担・運行コスト減

物流企業

2019/02/15 0:00

 エスラインは9日、グループ中核企業のエスラインギフ(山口嘉彦社長、岐阜県岐南町)とエスライン各務原(橋本公寿社長、各務原市)に電気自動車(EV)トラック5台を導入し、運行を開始した。国内初の量産EVトラック、三菱ふそうトラック・バス(ハートムット・シック社長兼CEO=最高経営責任者、川崎市中原区)製の「eキャンター」で、中部地区では初めての導入となった。(星野誠)  エスラインギフ4台、エスライン各務原1台の計5台導入した「eキャンター」は、車両総重量7.5トン、最大積載量3トン。リチウムイオン電池6パックを備え、普通充電、急速充電の両方に対応し、8時間の普通充電で100キロメートルの走行が可能。岐阜市内などで小口雑貨の集配やルート配送、家電製品の納入業務に使用する。  同日行われた納車式では、ボディーに「EV TRUCK」の文字を大きく入れた車両が披露され、東海ふそう(名古屋市南区)の石井澄人社長が、エスラインの山口社長に金色のレプリカキーを手渡した。  山口氏は「物流企業は長年、排出ガス規制や軽油価格の動向など、悩ましい問題に直面しながら、環境に配慮した取り組みを進めてきた。今後は排出ガスを出さない車両でアピールしつつ、女性・高齢ドライバーの労働環境改善、人材の採用や定着管理につなげたい」とあいさつ。  また、石井氏は「このeキャンターは国内初のEVトラックであり、入念な研究開発の結果生まれた商品。モーター特有の低回転域での大トルクが、荷物満載でもスムーズな発進をサポートする。エスラインとは今後も緊密な関係を保ち、更に優れたEVトラックを開発していきたい」と述べた。  エスライングループではこれまで、地球温暖化防止など環境に配慮した物流サービスの一環として、圧縮天然ガス(CNG)車、ハイブリッド(HV)車、窒素酸化物(NOX)を浄化する尿素システムを搭載した大型車などの導入を積極的に進めてきた。  今回導入したEVトラックは、排出ガスを一切出さず、環境負荷を大きく低減。従来のディーゼル車と比べ振動が少ないため、ドライバーの身体への負担も軽くなるなど、労働環境改善にもつながる。また、同じ走行距離で比較すると、必要な電気代はディーゼル車の軽油代の50~60%で済むため、運行コストも大幅に削減できる。  今後の増車計画について、エスラインの村瀬博三副社長は「環境に優しい車両なので増やしていきたいが、まずは5台を運用しながら、充電時間やコストなどをしっかり確認していく。その上で増車を検討したい」と話した。(星野誠) 【写真=金色のレプリカキーを受け取るエスラインの山口社長(右)】





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