黒石貨物自動車、血圧・脈拍測定を促進 健康経営 県報告会で事例発表 費用負担・情報提供が奏功
物流企業
2019/02/12 0:00
【青森】黒石貨物自動車(三浦ツエ社長、青森県黒石市)は1日、青森県が取り組んでいる2018年度職場の血圧・脈拍測定促進事業の報告会で、実践事例を発表した。同社の健康経営を推進している三浦佳子氏が登壇し、「我が社の従業員の健康づくり」と題して、これまでの経緯を説明。取り組みの結果、①要治療者の早期発見②血圧値データの管理による体調の把握③健康に対する関心の高まり――などの効果があったことを強調した。(今松大) 同社では、労働者不足やドライバーの高齢化などの課題を深刻に受け止め、16年から会社を挙げて従業員の健康維持に向けた取り組みに着手した。毎日の血圧測定のほか、生活習慣病予防の健診と歯周病検診、インフルエンザの予防接種、50歳以上が対象の脳MRI(磁気共鳴画像装置)とMRA(磁気共鳴血管撮影)の検査は、費用を会社で負担している。 建物内禁煙の実施やヘルシー弁当購入費用の補助、社内掲示等による情報提供も行ってきた。 こうした活動が実を結び、17年に青森県健康経営認定、18年には経済産業省の健康経営優良法人認定などを取得。従業員が野菜の摂取量や減塩具合を気にしたり、脈の乱れにも注意したりするなど、健康に気を付ける雰囲気が醸成されたという。 今後の方針については、血圧測定を継続するとともに、脳MRIとMRAの検査対象を全員に広げるほか、禁煙手当の支給も視野に入れている。 青森県の平均寿命は全国的にも下位にあり、働き盛り世代の死亡率が他県よりも高くなっている。特に、脳血管の疾患による40代以上の男性の死亡率は女性の約2倍。職場における定期的な血圧や脈拍測定の実施を働き掛け、高血圧、不整脈等の予防・早期発見、早期治療につなげるための体制づくりを目的に、血圧・脈拍測定促進事業が始まった。黒石貨物自動車は、そのモデル事業者として選定された。 三浦一真専務は「現在勤めてくれている社員を大事にしていきたい。健康で長く働いてもらえると、会社にとってもプラスになる。10年後に後悔しないよう、今から対策を講じておかなければ」と話している。 【写真=質疑応答に応じる三浦佳子氏】