ヤマトHD、京浜島に物流施設 あす竣工 通関など機能集約 海上貨物増を見据え
物流企業
2019/01/24 0:00
ヤマトホールディングス(YHD)は17日、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL、金井宏芳社長、東京都中央区)が海上輸送などの玄関口となる東京都大田区京浜島で整備を進めていた大型物流施設「東京グローバルロジゲート」が25日に竣工する、と発表した。3月5日に稼働する予定。フォワーディング、通関、流通加工などの機能を集約させ、今後増加が見込まれる荷物や多様化するニーズに対応する。(高橋朋宏) 東京グローバルロジゲートは地上4階建て(倉庫3層)、延べ床面積1万9900平方メートルで、耐火建築物。2階に恒温恒湿保管庫、4階に空調施設を備える。提供するサービスは混載貨物専用倉庫(CFS)、ロジスティクス、海外引っ越し、美術品の輸送・収蔵など。 保税蔵置場設置の申請が通れば、輸入時に通関業務を行わず保税状態のまま、施設内で検品・ラベル貼り付けなどの流通加工が可能になり、輸送コストやリードタイムを短縮できる。 セキュリティーはエリアごとに基準を設定し、多数の防犯カメラや24時間有人警備などを配備している。 4キロ圏内には、東京港(大井コンテナふ頭)や羽田空港、日本貨物鉄道(JR貨物)の東京貨物ターミナル駅など陸海空の物流拠点がある。ヤマトグループ最大の総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」や、特殊梱包サービスなどで顧客の本業特化を支援するヤマトパッキングサービス(荒川滋社長、江東区)の「京浜島流通トリニティセンター」に近い。 YHDによると、日本発着の海上貨物貿易額は増加しており、2020年に向けて特に東京を中心として海上貨物は更に増加する見通し。また、グローバル化・ボーダーレス化により流通は複雑化し、グローバル企業にとって物流の最適化が大きな経営課題になっているという。 近年の物流施設には保管だけでなく、集配送や流通加工など多機能が求められており、これらに対応するため新たな施設整備を進めてきた。 【写真=陸海空の物流拠点に近接する東京グローバルゲート(完成予想図)】