佐野IP、マッチング率100%目指す CRU 東北と東京港つなぐ 運転者の労働時間削減
行政
2019/01/21 0:00
栃木県佐野市が所有し、吉田運送(吉田孝美社長、茨城県坂東市)が指定管理会社となっている佐野インランドポート(IP)は、2018年11月に開設1年が経過し、徐々に当初の目標ラインが見えてきている。12月末時点でのコンテナラウンドユース(CRU)のマッチング率は80%程度。当面の課題は輸送力の増強で、トラクタ台数を増やすなどしてマッチング率の100%達成を目指す。(谷本博) 吉田運送は18年11月に、日本通運とCRUで業務連携を結び、坂東市の本社デポと佐野IPを活用し、双方でのCRU活性化を推進している。具体的な動きはこれからだが、日通側としては、福島県白河市にコンテナデポがあることから、東京港との中継基地として佐野IPの活用も視野に入れているという。 また、福島県内に本社を置き、海上コンテナ輸送を手掛ける運送事業者が昨秋、佐野IP内に事務所を開設。今後、同事務所を正式に営業所として、休憩施設の充実などを図りながら、東北―東京港の中継基地としてハブアンドスポーク方式を実現させる。これにより、ドライバーの労働時間削減につなげていく狙いもある。 佐野IPでは現在、CRU活発化に向けた空コンテナ募集を強化している。輸出につながるコンテナを中心に呼び掛けており、主な媒体はツイッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がメイン。今後は吉田運送と佐野IPで別々に開設しているホームページを一本化し、分かりやすくする予定だ。 佐野IPの山崎勝司所長は「敷地内の保税蔵置所も、倉庫のスペースが限られていて余裕が無いのがネック。将来的には施設拡張の話も出ており、それに期待している状況。輸送力の確保を軸に、CRUのマッチング率を高めていくことで、当施設の利用価値を高めていきたい」と話している。 【写真=開設から1年が経過し、当初の目標ラインが見えてきている】