後続無人トラック隊列走行、国内初めて公道で実証 本線との分合流も
産業
2019/01/17 0:00
経済産業、国土交通の両省は22日から、日本初となる公道での後続車無人システムによるトラック隊列走行(後続車有人状態)の実証を新東名高速道路で開始する。最大3台のトラックが車間距離10メートルで走行し、本線との分合流も初めて実施。開発中のシステムの検証とともに、周囲の車両からの認識や追い越しなどの挙動に及ぼす影響についても確認する。両省が8日、発表した。(田中信也) 高速道路での隊列走行は、2022年の商業化に向け、18年1月に新東名でCACC(協調型車間距離維持支援システム)を用いた後続車有人での実証を開始。これを皮切りに、2月に北関東自動車道、11月に北陸信越自動車道、12月には新東名で世界初のLKAS(車線維持支援システム)を搭載した公道走行などの実証を重ねてきた。 一方、商業化の軸となる後続車無人システムについては、20年の走行実現を目指し、これまでテストコースで検証してきた。開発中のシステムの実現に必要な機能が実走行環境で設計通り作動することの確認に加え、周囲の車両からの視認性や印象、追い越しといった挙動など周辺環境への影響を検証する目的で、国内初の公道実証を開始する。 今回の公道実証も後続車有人と同様、新東名・浜松サービスエリア(SA)―遠州森町パーキングエリア(PA)の10キロ区間で、1月22日~2月28日の平日に実施する(78往復を予定)。2、3台の大型トラック(車長12メートル)が時速70キロで走行。隊列での駐車を検証するため、浜松SA、遠州森町PAで、隊列を形成したままでの合流・分流も行う。 車間距離は、CACCや先行車追従機能を搭載することで、道路交通法での限界値22メートルを大きく下回る10メートルを実現。3台走行時の全長は60メートル程度になる。なお、安全確保に万全を期すため、後続車にもテストコースで経験を積んだドライバーが乗車する。 なお、実施に当たっては、隊列への割り込みの危険性を知らせるとともに、浜松SA、遠州森町PAの大型車用駐車スペースの利用を制限。ポスターの掲示やチラシの配布などを通じ、高速道路利用者への周知・啓発を行っている。 【写真=車間距離10メートルで走行し、分合流も検証する(テストコースでの走行実験)】