物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

ホクレン、「ほくれん丸」輸送力強化 釧路―日立 シャシー積載23%増 生乳以外の貨物取り込む 繁忙期需要に対応

物流企業

2019/01/14 0:00

 ホクレン農業協同組合連合会(内田和幸会長)は4月にも、釧路港(北海道)―日立港(茨城県)を20時間で結ぶRORO船「ほくれん丸」「第二ほくれん丸」の2隻の輸送力を強化する。積載能力が、現行比23%増の160台(シャシー、12メートル換算)を積載できる船舶に入れ替える。燃費も10%改善する。トラックドライバー不足に対応するとともに、主力の生乳に加え、農産物や加工食品の取り扱いを増やす。(土屋太朗)  ほくれん丸は1993年、ホクレンが川崎近海汽船からスペースを借り上げる形で運航開始。釧路港と日立港を、それぞれ午後6時に出港している。2006年にリプレースした現行船2隻は、共に全長173メートルで、シャシー130台を積載できる。  輸送力の強化に向け、川崎近海の提案も踏まえ、4、5月にホクレンが苫小牧港(北海道)―常陸那珂港(茨城県)で運航している2隻を配船替えする。全長などは大きく変わらないが、積載能力はシャシー30台分増える。エンジンの性能が高まったことで燃費も改善。出航時間など運用面は変更しない。  釧路港の後背地にある道東エリアは、全国有数の酪農地帯でタマネギやバレイショなど農産物の生産が盛ん。繁忙期の8~10月には、1日当たり90万リットルの生乳がほくれん丸で運ばれており、農産物の収穫時期と重なるため、満載の状態が続いていた。  生乳は本州での需要が高く、今後も継続すると見込まれるため、輸送力を高めてこうしたニーズに対応する。農産物に加え、乳製品などの貨物も多く扱えるようになり、通年でRORO船を利用したい荷主の要望にも応える。  ホクレンでは「積載能力が高まったことで、生乳や農産物以外の貨物が繁忙期でも多く取り込めるようになり、船の運用がしやすくなる」(物流部)と説明。半面、日立港から釧路港に向かう便の取り扱い貨物量の少なさを課題に挙げる。  釧路港では18年11月、国際バルク戦略港湾として全国初の国際物流ターミナルが完成しており、今回のRORO船更新で同港の物流拠点化に一層の弾みが付きそうだ。 【写真=燃費を10%改善(現行のRORO船)】





本紙ピックアップ

ブリヂストン物流「SBSグループ入り」、横のつながりでシナジー

 ブリヂストン物流(三好由浩社長、東京都小平市)は10月1日付でSBSホールディングスグループ入りしたのを機に、独自の成長戦略を推し進めていく。三好社長(63)は「これまではコストセンターだったが、これからはプロフィット…

ニュース深掘り/交付金法改正案の議員立法、与野党の審議大詰め

 軽油引取税の旧暫定税率廃止後、トラック運送、バス事業への運輸事業振興助成交付金の5年間継続などを規定する議員立法で、今国会での法案提出に向けた各党の協議が大詰めを迎えている。与野党各党とも前向きに検討しており、今国会で…

NS物流研/学生研究発表、海洋大・黒川ゼミV

 NS物流研究会(樋口恵一会長)主催の「物流関連ゼミ学生による研究発表会(全日本トラック協会、物流ニッポン新聞社後援)」が8日に開かれ、東京海洋大学の黒川久幸ゼミが優勝した。7校が参加し、準優勝は神奈川大学の齊藤実ゼミ、…

運輸労連/26年春季労使交渉、1万7300円中心に要求

 運輸労連(成田幸隆委員長)は、2026年の春季労使交渉での統一要求基準について、物価高対策と他産業との格差是正に向け、定期昇給分1.5%に賃金改善分5%を上乗せし、賃上げ率を24、25年を上回る6.5%、要求額は「1万…

オススメ記事

ブリヂストン物流「SBSグループ入り」、横のつながりでシナジー

 ブリヂストン物流(三好由浩社長、東京都小平市)は10月1日付でSBSホールディングスグループ入りしたのを機に、独自の成長戦略を推し進めていく。三好社長(63)は「これまではコストセンターだったが、これからはプロフィット…

ニュース深掘り/交付金法改正案の議員立法、与野党の審議大詰め

 軽油引取税の旧暫定税率廃止後、トラック運送、バス事業への運輸事業振興助成交付金の5年間継続などを規定する議員立法で、今国会での法案提出に向けた各党の協議が大詰めを迎えている。与野党各党とも前向きに検討しており、今国会で…

NS物流研/学生研究発表、海洋大・黒川ゼミV

 NS物流研究会(樋口恵一会長)主催の「物流関連ゼミ学生による研究発表会(全日本トラック協会、物流ニッポン新聞社後援)」が8日に開かれ、東京海洋大学の黒川久幸ゼミが優勝した。7校が参加し、準優勝は神奈川大学の齊藤実ゼミ、…

運輸労連/26年春季労使交渉、1万7300円中心に要求

 運輸労連(成田幸隆委員長)は、2026年の春季労使交渉での統一要求基準について、物価高対策と他産業との格差是正に向け、定期昇給分1.5%に賃金改善分5%を上乗せし、賃上げ率を24、25年を上回る6.5%、要求額は「1万…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap