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名港海運、新物流センター稼働 自動機器を積極採用 荷主の物流効率化に貢献

物流企業

2019/01/10 0:00

 名港海運は、愛知県飛島村で建設を進めてきた西二区南物流センターの第1期工事を完了し、11日から稼働させる。作業員の高齢化や人手不足に対応するため、自動機器を積極的に採用して省人化を推進し、荷主の物流効率化にも貢献する。中長期的な事業継続の観点に立ち、第1期、2期を合わせた投資額は150億円と同社最大規模。第2期工事は8月に完了する予定だ。(梅本誠治)  敷地面積7万3400平方メートル、延べ床面積9万6千平方メートルの鉄骨造り5階建て。幅35メートルのひさしを備えた1階には、海上コンテナトレーラ50台分のバースを設置した上、2階へ乗り入れ可能なスロープを設けることで、主力の自動車部品を積んだ大型車が直接搬入できるるよう整備した。  施設内にはオートレーター(垂直搬送システム)や貨物自動搬送コンベア、水平移動式搬送設備といった省人化機器を導入。自動搬送機などで分類して1階に下ろし、コンテナ1本分の20パレットに並べる工程も自動化することで効率を高める。荷主が工場周辺でバンニングして運んでいた貨物を集約し、そのまま輸出貨物として搬出できる環境も整えた。  トラックが入る際には、入庫をゲートで24時間チェックし、登録車両のみ入口のバーが開くシステムを導入するのに加え、ドライバーにスマートフォン(スマホ)で指示を送るコンテナ運送管理システム「ATMSアトムズ」により、空いているドックへの搬入を信号で指示。ドライバーが車両を降りずに済む領域を増やし、労力の低減を図っている。  物流センター統括部管掌の野々部洋史常務(58)は「人手不足が深刻化する将来を見据え、コストは掛かるが積極的に省人化機器を採用し、ドライバーに優しい施設に最大限考慮した。バースの予約システムは入れていないが、今後は上層階の整理を含めて更なる自動化を検討している。港湾で流通加工を行って直接輸出すれば港内のドレージだけで済み、内陸の生産拠点から出荷する現状に対して作業を軽減することが可能なので、荷主にも柔軟な対応を提案していきたい」と話す。  センターは、名古屋港の飛島ふ頭(愛知県飛島村)と鍋田ふ頭(同弥富市)の中間に位置し、伊勢湾岸自動車道の飛島インターチェンジ(IC)から2分と交通アクセスにも優れる。2018年度中に完成予定の新名神高速道路の三重県区間がつながれば、関西エリアから名古屋港へのアクセスが飛躍的に向上し、輸出入貨物の引き合いが増加することも予想される。  「一時期、津波などの災害を警戒して内陸部に逃げていた貨物も、港湾地区に戻りつつある。特に輸出入貨物の引き合いが多く、インフラが整えば中部に輸出入拠点を移したい荷主の意向も聞いている」(野々部氏)また、海沿いながら海抜4.7メートルのため県の浸水想定エリアに入ってはいないが、盛り土を1.1メートル積んで万全を期しており、非常時は事務所棟の屋上に備えた自家発電機で72時間の運用が可能。  同社は19年に創立70周年を迎えた。新センターは、70周年を機に港湾地区に保有する古い倉庫の再編の一環として設置。今後は内陸部への拡大も検討していくという。 【写真=第1期工事が完了した西二区南物流センター】





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