大阪貨健保、一般・介護とも黒字見込む 給付適正化&経費削減 鍼灸の支払い方法変更
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2019/01/10 0:00
【大阪】大阪府貨物運送健康保険組合(田中秀和理事長)は12月14日、組合会を開き、2018年度の決算見通しなどについて話し合った。一般勘定では、被保険者が当初見込みより711人増、平均標準報酬月額も1182円増と予測される一方、給付の適正化や経費削減により支出を抑制、1467万円の黒字となる見通しを示した。(小菓史和) 介護勘定も、被保険者、平均標準報酬月額ともに増加する一方で、支出は予測を下回る見通しで、通期では1億9465万円の黒字を見込んでいる。これにより、財政健全化計画の策定と履行を求められる指定組合となることは、回避できることが確実となった。 田中理事長は「特定健康診断の受診率及び特定保健指導の実施率についても、後期高齢者支援金へのペナルティー基準をクリアできる見通しであり、引き続き協力をお願いしたい」と述べた。 このほか、療養費の適正化が課題となっている、あんま、マッサージ、指圧、はり・きゅうに対する施術料について、支払い方法を変更。これまで、療養費として鍼灸(しんきゅう)師などに大阪貨健保から直接支払われていたが、4月以降は被保険者が施術料を全額支払った上で、療養費の給付を申請する「償還払い」へと変更する。 これにより、不正請求に対するけん制効果を高めるとともに、被保険者の健保制度に対する理解促進や指導効果が期待でき、安易な受診も抑制される。大阪貨健保では、引き続き、こうした療養費の請求データを分析し、審査強化につなげていく。 田中氏は「黒字決算が見込まれるものの、財政状況が好転しているわけではない。19年度も厳しい運営が予想されるが、保険料率は据え置いたまま予算編成できるとみている。引き続き、従業員の健康増進と適切な受診に努めていただきたい。今後も加入者にメリットのある健保組合を目指していく」と述べ、協力を求めた。 なお、議事に先立ち、特定健診・特定保健指導に対する表彰が行われ、44社店、15人に表彰状が贈られた。 【写真=今年度の決算見通しなどについて話し合う】