国交省/首都高地下化大型車通行むけ検討着手既存線強化か地下別線
行政
2019/01/10 0:00
国土交通省は12月25日、首都高速道路の日本橋周辺の地下化で、トラックなど大型車の通行を確保するための検討に着手した。首都高地下化では、八重洲線や東京高速道路(KK線)への転換が必要だが、現状では大型車が通行できない。このため、既存線の構造を強化するか、別線を地下に整備することを方策として挙げた。 同日、「首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会」(池田豊人座長、国交省道路局長)を立ち上げた。「首都高日本橋地下化検討会」での検討事項を引き継ぐもので、メンバーに東京高速道路(塚本和隆社長、東京都中央区)の加藤浩常務を加えた。大型車の交通確保に向け、①KK線の構造強化②地下に別線を整備――の両案を検討する。 地下化と併せて、江戸橋ジャンクション(JCT)の都心環状線内回りのランプが撤去されることから、汐留JCTから神田橋JCTまでの交通は、八重洲線に転換される。しかし、八重洲線の間に挟まれるKK線は、20トンまでの車両しか通れない。 このため、KK線の構造強化が方策として挙がった。床版や桁を補強する構想だが、工事期間中はKK線のテナントの店舗が営業できなくなる。また、一部で道路幅を拡充しなければならないが、そのためには現在の街路を移設する必要があり、更に、八重洲線との接続が難しい箇所がある。 地下に別線を整備する案では、下水道などの埋設物に配慮することが求められる。また、地下鉄を避けて別線を通すため、一部で八重洲線の地下トンネルと別線が交差し、接続が困難になる。 両案とも、八重洲線との接続が課題となっている。同検討会では、両面から検討を重ねることとしている。(辻本亮平) 【写真=①KK線の構造強化②地下に別線を整備――を検討】