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国交省/高速道路インフラ活用 隊列走行実現へ検討開始 新たな物流システム構築 今春方向性取りまとめ

行政

2019/01/10 0:00

 国土交通省は12月21日、高速道路でのトラック隊列走行の実現に向け、「新しい物流システムに対応した高速道路インフラの活用に関する検討会」(根本敏則座長、敬愛大学教授)を立ち上げ、安全な走行空間の確保や、ドライバーの休憩施設、連結を解除する拠点などインフラ面での事業環境整備に関する検討を開始した。関係者へのヒアリングなどを通じて論点を整理し、今春に方向性を取りまとめる予定だ。(田中信也)  2020年度に新東名高速道路での後続車無人隊列走行技術、20年度以降には東京-大阪での商業走行をそれぞれ実現するには車両の技術開発、事業環境の構築とともに、道路インフラの整備も不可欠。検討会は、隊列走行を中心としたトラック輸送の生産性向上につながる新しい物流システムに対応した高速道路インフラの活用の方向性について関係省庁、高速道路会社、メーカー、自動車運送事業者団体などが幅広い専門的見地から検討するため設置した。  初会合では、トラック輸送の現況や高速道路付近の物流拠点の立地状況、新東名の静岡県区間で着手した両側4車線区間の6車線化事業、更に「ダブル連結トラック」の導入、重要物流道路制度の創設、民間施設に直結するスマートインターチェンジ整備といったトラック輸送の生産性向上への施策展開を説明。また、経済産業省がトラック隊列走行の実証実験の動向、警察庁は隊列走行に不可欠な電子けん引に対応した道路交通法の改正の見通しなどについて、それぞれ報告した。  検討に当たり、「事業者ニーズを踏まえる必要がある」ことから、まず①新システムが担う役割②導入区間③輸送形態④システムの運営主体⑤実現スケジュール――を議論の前提として提示。検討課題として本線・分合流部、交通安全施設、休憩施設、物流拠点施設といったハードと、交通マネジメントなどのソフトの両面について整備・活用の方針を示した。  具体的には、本線部は乗用車との混在が少ない両側6車線化を基本とすることや、隊列を形成・解除するとともに休憩も可能な、高速道路と直結の物流拠点施設を活用イメージとして例示。更に、米国の高速道路でのHOTレーン(専用レーン)と専用ランプの設置事例を紹介した。  委員からは「インフラ活用だけに偏らないよう車両技術、事業環境の検討と足並みをそろえ、特に運行管理の在り方について配慮すべき」(小川博・日本自動車工業会大型車技術企画検討会主査)、「6車線化などにこだわりすぎず、スピード感を持って進めて欲しい」(石田東生・筑波大学名誉教授)といった意見が上がった。  また、全日本トラック協会(坂本克己会長)の入谷誠役員待遇審議役は「事業者ニーズを問われても、どんなシステムで、どの程度コストが掛かるか分からない段階では答えようが無い」と指摘。検討を進めるに当たって活用のイメージを示すよう求めた。 【写真=関係者へのヒアリングなどを通じて論点を整理】





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