YBSサービス、時間短縮へAI点呼開始 所要1分40秒 必要項目を網羅 独自ソフト 他社への提供も視野
物流企業
2019/01/03 0:00
【山形】YBSサービス(佐藤侑功社長、山形市)は、AI(人工知能)ロボットによる点呼補助システム「運行管理補助・ペッパーくん」の運用を始めた。11月末から、運行管理者立ち合いの下、運転前・運転後の点呼をロボットが補助している。(黒田秀男) 点呼補助システムは、ソフトバンクが販売するAIロボット「ペッパー」を活用し、同社の業務内容に合わせて運用ソフトを独自に開発。本人確認から免許証チェック、睡眠時間、アルコールチェック、健康状態、日常点検の有無、運行指示など、法令上、必要な項目を網羅。短時間で完了できるシステムを目指した。 佐藤社長は「汎用(はんよう)ソフトもあるが、時間がかかり過ぎる。必要な事項を短時間で完了しなければ、現場では使えない」とし、必要最小限のシンプルなシステムの開発に取り組んだ。18年春から始め、実証実験を重ねた結果、一連の点呼を1分40秒前後で完了するソフトを開発した。 乗務前点呼では、運行管理者立ち会いの下、運転者が「ペッパーくん」の指示に従い、タッチパネルで応答する対話形式。本人確認は顔認証システムで行い、免許証、睡眠時間、睡眠不足の有無を確認する。アルコール検査では検知器使用時の映像も撮影し、確実にチェック。日常点検や車検証などの備品確認、当日の運行指示――など、法令に定められた項目を全て確認する。実施内容は点呼記録として自動的に作成される。 佐藤氏は「法令順守の経営が求められる。点呼も正確で適正な対応が必要。点呼者によって、バラつきがあってはならない。AI技術を生かし、より実践的でシンプルなソフトを作った。労働時間の短縮にも努めたい」としている。要望があれば同業他社にも提供する方針で、中小企業への普及も念頭に入れている。 【写真=運転者は「ペッパーくん」の指示に従い、タッチパネルで応答】