熊ト協、三重苦解決 県に要望 労働力確保や高速割引拡充 防災センター建設支援も
団体
2018/12/24 0:00
【熊本】熊本県トラック協会は10日、住永豊武会長ら執行部が熊本県庁を訪ね、長時間労働の是正、コンプライアンス(法令順守)の徹底、人手不足の解消――など、トラック運送事業者の「三重苦」とされる経営課題の解決、理解と協力を仰いだ。働き方改革や防災総合センター建設など14項目に及ぶ要望を受けた県は「国との調整を踏まえ、実現可能な分野から対応していく」(商工観光労働部)と応じた。(武原顕) 要望書は、地元選出の自民党国会議員と同党熊本県連、県の3者で編成する「チームくまもと」へ提出。①ドライバー不足に対応するための労働力確保②高速道路割引制度の拡充③軽油引取税暫定税率の廃止と軽油価格高騰時の課税停止措置(トリガー条項)の凍結解除④熊ト協防災総合センターの建設支援――を最重点項目に掲げた。 外国人労働者の活用に関し、「トラック運送事業を、外国人技能実習制度における技能実習2号移行対象職種にして欲しい」とし、県防災総合センター建設が実現した場合は、外国人労働者の研修施設として活用する考えを伝えた。 また、熊本地震の経験を踏まえ、住永氏は「大型の緊急物資集約センター及び避難所の必要性を痛感した」と言及。ドライバー育成の研修施設としての重要性を述べ、早期実現へ協力を訴えた。 要望活動は、荒川泰治、下川公一郎、上田裕子、江富聡、富田康方の各副会長らが出席。席上、全ト協の坂本克己会長と住永氏の連名による「平成31年度税制改正・予算に関する要望書」を手渡した。 一方、県は商工観光労働部の磯田淳部長、農林水産部の福島誠治部長、土木部の宮部静夫部長ら幹部がそろった。磯田氏は「トラック運送事業は、社会インフラとして大きな役割を担っている。県だけでは対応できない分野もあるが、トラック運送業界が直面している課題の解決に対応していきたい」と理解を示した。 このほか、重点項目として「農業予算における生鮮・農産物輸送の生産者が負担する運賃の一部補助」と「車両制限令による処分の緩和、特殊車両通行許可の審査期間の短縮」「改善基準告示の弾力的な運用」「長距離フェリーの利用助成制度の創設」――などを盛り込んだ。 【写真=県の幹部に14項目の要望を訴える熊ト協の執行部】