福島ト協、高校新卒の就業促進へ いわき市でアドバイザーと懇談 福島運支局が初出席
団体
2018/12/17 0:00
【福島】福島県トラック協会(右近八郎会長)は4日、いわき市で高校進路アドバイザーとの懇談会を開いた。高校新卒者のトラックドライバーへの就業促進に理解と協力を求めるとともに、働き方改革や職場環境の改善、安全対策の強化などに積極的に取り組んでいることをアピールした。(富田久男) 進路アドバイザーは、就職に関する適切なアドバイスや助言、情報提供などを行う、地域企業と教師、生徒、保護者との橋渡し役。進路指導を経験した教師OBが福島県から委任され、各校に配置されている。 ドライバー不足と高齢化が進む中、若年層の雇用を確保することは企業経営の存続や健全な業界発展に不可欠な課題だ。しかし、3K(きつい、汚い、危険)業種のイメージが強く、新卒者を継続採用している地元中小運送会社は非常に少ないのが現状。そこで新卒者の雇用促進に向けて、進路アドバイザーに業界の実情と今後の取り組みを理解してもらうのが狙い。 いわき地区のアドバイザー11人に加え、ふくしま生活・就職応援センターや福島人材派遣センター(安田敬社長、福島市)などの担当者が出席。また、福島運輸支局の佐々木雅幸支局長も初めて同席した。福島ト協では鈴木健仁副会長をはじめ、いわき支部(鈴木支部長)と女性部会(永山忍部会長)の役員らが対応した。 鈴木副会長は、労働時間と職場環境の改善、コンプライアンス(法令順守)に業界を挙げて取り組んでいることを強調し「イメージアップと高校生の就業に力を貸していただきたい」と要請した。佐々木支局長は「(ドライバー不足が続けば)物流が止まってしまうという危機感もある。運輸行政としても、高校訪問などを通じて運輸業界への就労支援を継続していく」と語った。 懇談会では、アドバイザーと同支部役員らに対して事前に質問及び協議事項などアンケートを実施。テーマを「トラックに対するイメージ」「運送業界の現状」「女性ドライバーの採用」「人材確保対策への取り組み」――などに絞って意見を交わした。 アドバイザー側から「『トラック野郎』のイメージが払しょくできず、3Kとして敬遠される」「車に興味の無い生徒が多い」「保護者(特に母親)の理解を得られない」といった声が寄せられた。 また、「(トラックドライバーが)生徒たちにはなじみが無く、距離感もある。もっと身近な関係づくりが必要であり、(学校や生徒、保護者への)PR活動を強化すべき」「地元運送会社の学校訪問(求人活動)が少ない。もっと詳しい情報が欲しい」「入社後の教育内容やスキルアップのための支援体制はどうか」など、求人活動や人材育成への取り組み強化を求める声が多かった。 一方、協会側からは、採用活動や運転免許取得の助成制度、インターンシップ(就業体験)制度などの事例を挙げて、人材育成のための支援事業に力を入れていることを紹介。また、役員らから「大型車(長距離便)に限らず、様々な車両が身近な場所で動いている」「女性が安心して働けるよう職場環境の改善や福利厚生面を拡充している」「トラックフェスタや物流出前講座などによる広報、PR活動を強化していく」などの声が上がった。 【写真=就労支援やイメージアップ対策などについて意見交換】