八雲運輸商事、道内農水産品をアジアへ 地元農協・漁協と連携 来春にも コンテナ対応車導入
物流企業
2018/12/10 0:00
【北海道】八雲運輸商事(石原輝昭社長、北海道八雲町)は2019年4月にも、地元農水産物の国内外でのPR事業を本格展開させる。道南に位置する八雲町や今金町の農協、漁協と連携し、上海や香港などのアジア各地や本州エリアで輸出・販売事業を開始。道内空港などへの輸送は同社が手掛ける。地元産品の魅力を国内外に発信し、道内産業の活性化につなげる。(土屋太朗) 18年9月、「特産品販売事業部」を社内に発足。神戸市の総合商社の販路を生かし売り出す。海外では中国に加え、東南アジアでの販売も見込んでおり、国内では東京都、大阪府、愛知県などで行う。 八雲町は日本で唯一、太平洋と日本海に面しており、水産資源が豊か。一方、今金町では全国ブランドの男爵いも「今金男爵」を産出している。現在、同社では両町の農協や漁協、水産加工会社などに協力を呼び掛けており、19年4月までに30~40の企業・団体と連携したい考え。将来的に八雲町、今金町以外のエリアでの農水産物も取り扱う方針だ。 輸出先へは新千歳空港(千歳市)から空輸し、本州へは日本貨物鉄道(JR貨物)を利用。道内の輸送は同社が請け負い、従来の輸送業務のほかコンテナ輸送も可能にするよう、コンテナ搭載型の平ボディー車を3月にも導入する。まずは、試験的に現地の販売店などに出荷し、需要に応じて取扱量や販売国を増やしていく。 同社は生乳や飼料輸送などを手掛けており、18年3月に磐栄ホールディングス(村田裕之社長、福島県いわき市)グループに入った。その際、横浜市出身の石原社長が就任した。 石原氏は「北海道に来て、全てが新鮮に映り、名産を表に出したいと考えていた。事業を通じて八雲町や今金町、広く言えば、北海道をアピールしていきたい」と話す。併せて、道内での営業所の開設や牧場経営にも乗り出す考えを示している。 【写真=道内での営業所の開設や牧場経営にも乗り出す考え(本社)】