連結トラック/要件案、業務・免許保有「3年以上」 通行ルート 海老名―豊田東50%超 年明け 特車通行許可基準を緩和
行政
2018/12/06 0:00
国土交通省は11月30日、車両最大長25メートルの「ダブル連結トラック」の本格導入に向け、通行、技術などの要件案を明らかにした。通行ルートは「新東名高速道路の海老名ジャンクション(JCT)―豊田東JCTがおおむね50%以上」となるよう規定。優良なドライバーを対象に運転者の要件も改め、実証実験時に「5年以上」としていた大型自動車の運転業務、免許保有の年数を、それぞれ「3年以上」と2年縮小する。まもなく関係通達の改正案を公表し、意見公募の手続きを経て、1月から特殊車両通行許可基準を緩和する方針だ。(田中信也) ドライバー不足が深刻化する中、トラック輸送の省人化や物流効率化を進めるため、車両長を現行基準の21メートルから最大25メートルに緩和する。これに向け、2017年3月からヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)、 日本梱包運輸倉庫(大岡誠司社長、同)、西濃運輸(神谷正博社長、岐阜県大垣市)、福山通運が参加し、新東名を中心としたルートで実証実験を実施。11月30日の社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会の物流小委員会(根本敏則委員長、一橋大学大学院教授)で実験状況を報告するとともに、本格導入時の要件案を提示した。 貨物物流の地域間流動量は、関東―中部が全体の11.8%と最大だが、関東―近畿も7.9%と上位に位置することから、実験では近畿圏への輸送も実施。その結果、支障が無かったことから、新東名をコアとしつつも、近畿圏との輸送にも活用できるよう、実証実験で規定した海老名、豊田東の両JCTから先への延長制限を外し、対象区間は「新東名がおおむね50%以上」となるようにする。 また、実験時に「運輸業に5年以上従事」「大型免許5年以上かつけん引免許5年以上の保有」と規定した運転者の要件を、人材確保の観点から、優良なドライバーを対象に緩和。直近3年間無事故・無違反かつ最低12時間(通常は2時間)の実技訓練を受けたことを条件に①大型自動車運転業務に直近3年以上従事②大型免許3年以上かつけん引免許1年以上の保有――とする。 更に、車両安全技術16項目のうち、車載型自動軸重計測装置(OBW)については、実験で軸重超過が無かったことや、装着コストが過大なため、OBWの装着に代わり、発着地で計量して記録を携行することも可能とする。 このほか、実験では、21メートル超の車両が2台連続で本線を走行した場合、車間距離が短くなり、急ブレーキ発生の確率が高まる恐れのあることが判明。そのため、本格導入に当たっては連続走行を禁止する。故障時の停止表示については、道路交通法施行令で板状か灯火式のいずれかの停止表示機材を使用するよう定められているが、両方の使用を要件とすることで安全性を確保する。 併せて、片側1車線の分離構造の道路は、同じ幅員の非分離道路に比べ厳しい特車許可通行条件(非分離がA条件なのに対し、分離はC条件)が設定されているが、同じ条件で通行できるよう変更する。 【写真=物流小委で実証実験の状況とともに要件案を提示】