ランビック、長時間労働是正に注力 「2車3人」全面移行 人手確保にあらゆる手
物流企業
2018/12/03 0:00
【東京】ランビック(竹内謙二社長、埼玉県越谷市)は2019年11月期の最重要課題に「労働時間の短縮」を設定している。主力の中長距離輸送事業で、大型トラック2台を3人のドライバーで切り回す「2車3(人)」の勤務体系に全面移行したのに伴い、関東圏で完結する日帰り運行が可能な短距離輸送事業を拡大。これによりコンプライアンス(法令順守)の徹底を図り、従業員と会社を守る態勢を強化する。(沢田顕嗣) 18年11月期はメイン取引先の大手特別積合せ事業者を中心に運賃の改定交渉に尽力したことが奏功。売り上げが11億円程度、売上高経常利益率は6%程度にそれぞれ伸長した。今期からは、前期の運賃値上げ分を原資に、2車3に全面的に移行している。 以前は1コースを2人で担当していたが、2車3により1人を近場の業務に配置することで、長時間労働の是正と肉体的な負荷の軽減を促進。給料を据え置いた上で労働時間を削減した結果、離職がピタリと止まるなど早くも効果を生んでいる。 短距離輸送では、メイン取引先から新規に業務を受託していくほか、大手宅配会社の要請で11月からアパレルの輸送も試験的に開始。アパレル輸送サービスは今期中に10台規模まで伸ばしていく構想で、同社における働き方改革の成否を占う新規事業と位置付ける。 このほか、待機時間の削減のため、取引先のターミナルに自社のフォークリフトを配備する施策に着手している。 今期は、人件費の推移や燃料費の動向など不確定要素はあるものの、売り上げ12億円、経常利益率8%の達成を目標に掲げている。 竹内社長は「法令の順守は企業防衛もさることながら、人手を確保していく上でも不可欠なファクター。ドライバーを呼び込む施策は2車3だけではない。大型免許及びフォークリフト免許の取得費を助成するなど、考えられるあらゆる手立てを講じている」と強調。 その上で、「自助努力にも限りがある。メイン取引先は運賃面で理解を示してくれたが、コースの見直しに関しても粘り強く訴えていく。労働時間の短縮が経営の最優先テーマであり、現在の仕事を継続するためにも協力を取り付けたい。社名に込めた意の『ランナー&ビクトリー』を体現すべく、今期も勝つために走り続けていく」と意気込む。 【写真=アパレル輸送サービスは今期中に10台規模まで伸す構想(一部画像処理)】