HINODE&SONS、事業拡大へM&A加速 人材確保の窓口広げ 東北など拠点整備も
物流企業
2018/11/26 0:00
HINODE&SONS(佐藤慎司社長、岡山県倉敷市)グループはM&A(合併・買収)を加速させ、事業基盤を強化する。8月に美岡運送(石原信治社長、岡山市中区)をグループ会社にしたのに続き、2019年9月期中に物流会社3社との事業譲渡契約を締結する予定。人材確保の窓口を広げるとともに、取り扱い輸送品目を拡大して不得意分野を解消する。また、手薄となっている東北、北陸、南九州などでの拠点整備も進め、グループの目標である株式上場へ足場を固めていく。(江藤和博) 美岡運送は全ての荷主と直取引で、平ボディー車による重量物や長尺物などの輸送が主力。HINODE&SONSグループはこの分野は不得意で、同社をグループに加えることで相乗効果を追求する。 美岡運送の保有台数は15台だが、岡山・倉敷地区にある他のグループ会社の平ボディー車も集約し、当面は30台、将来的には50台程度まで増車。重量物などに特化し、新たな市場を開拓していく。 また、物流会社3社と事業譲渡について交渉中で、契約締結は確実な状況だ。美岡運送はグループ22社目。 佐藤社長は「早ければ19年早々、遅くとも19年9月までにまとまる見通し。M&Aの目的は、スケールアップと人材確保の窓口を広げること。特徴のある会社をグループ化することでシナジーを追求していきたい」と話す。 HINODE&SONSは17年12月に倉敷市船穂町に新社屋と倉敷物流センターを完成させ、センターは既にフル稼働している。また、18年6月に日の出運輸中部(猪熊信年社長、愛知県小牧市)が、たつの事業所(兵庫県たつの市)を開設。利用運送事業を手掛けるフィッタジャパンロジスティカ(水粉寿志社長、東京都足立区)も10月に香川情報センター(香川県善通寺市)を立ち上げるなど、拠点整備を着々と行っている。 今後の重点エリアは東北、北陸、南九州だが、佐藤氏は「グループ会社が新たに営業拠点を設けるか、地元の会社をM&Aで傘下に入れるか検討する」という。 特に山陽運輸倉庫(西岡恵一社長、岡山市北区)は瀬戸中央自動車道の水島インターチェンジ近くに借りていた倉庫を5月に返却。新たな設備投資が当面の課題で、九州デポ建設の構想が浮上している。 一方、大阪市住之江区の自社所有の土地(6600平方メートル)を駐車場として貸しているが、新開運輸倉庫(石原良之社長、大阪市浪速区)が主体となり、阪神地区の拠点として有効活用する計画だ。 佐藤氏は「M&Aの情報をしっかり収集し、今後はボリュームのある会社を狙ってもいい。株式上場により資金調達力を高め、設備投資につなげていきたい」と話している。 【写真=17年12月に完成した倉敷物流センターは既にフル稼働】