経産省/災害時の燃料供給体制強化、情報収集システムを整備 SSなど 営業・在庫状況を即時に 緊急通行車両 事前届出率「7割」へ
行政
2018/11/22 0:00
災害時の燃料供給体制の強化に向け、経済産業省は3年以内に、全国のサービス・ステーション(SS)とLP(液化石油)ガスの主な充填(じゅうてん)所について、営業情報や在庫情報をタイムリーに収集・発信できるシステムを整備する方針だ。加えて、配送車両に関し、タンクローリーの緊急通行車両の事前届出が進んでいない地域で手続きを促し、全国の届出率を関東並み(約7割)に引き上げたい考え。また、緊急配送用タンクローリーを1500台追加配備するとともに、災害時専用の臨時移動式給油設備の全国的な運用体制の構築を検討する。(辻本亮平) 15日の「災害時の燃料供給の強靭(きょうじん)化に向けた有識者会議」(平野正雄座長、早稲田大学教授)で、事務局が方針を提示した。 災害時の燃料供給に関しては、北海道地震発生時など東日本大震災以降の災害時に、サプライチェーン(供給網)全体で在庫・配送などの情報収集が難航したという指摘が出ていた。これを踏まえ、3年以内に、民間サービスとの連携も視野に入れ、SSなどの情報を即時に収集・発信できるシステムを整備する。併せて、年度内に石油組合などの連絡体制を構築し、同システムの運用に関する訓練を行う。 燃料配送車両に関しては、18年度中にタンクローリーの緊急通行車両の事前届出の実施状況を確認した上で、都道府県に迅速な受理を促す。3年以内の実現を目標として、事前届出が進んでいない各地域を含め、関東並みの「届出率7割」実現を掲げた。 インフラの観点からは、災害時の燃料出荷体制を整備するため、停電時にも平常時と同等の出荷量を確保できるよう、3年以内の製油所・油槽所の非常用発電機整備・増強に向け、予算確保を進める。併せて、自家発電機を保有する「住民拠点SS」を全国8千カ所に整備するため、取り組みを推進。将来的に1千カ所の整備を目指す。このほか、18年度中に、各都道府県で燃料輸送道路の優先開通に向けた働き掛けを行う。 【写真=3年以内に、民間サービスとの連携も視野に、情報収集・発信システムを構築(イメージ写真)=一部画像処理】