サクラ、ミキサー車に遮熱塗装 生コン輸送の品質向上
物流企業
2018/11/19 0:00
【千葉】サクラ(金塚美喜男社長、千葉県佐倉市)は、生コンの温度上昇を抑えるため、ミキサー車に遮熱塗装を施している。以前から設置しているコンクリート温度の表示計と併せて、温度に影響を受けやすい生コンの徹底した温度管理を推進。地球温暖化が進む環境下でも、輸送品質の維持・向上を図る。(井内亨) 生コンは温度が一定水準を超えた場合、硬化時間や強度などに影響を受けやすくなる。地球温暖化などで外気温が上昇するとともに、ミキサー車のタンク内温度も上昇しやすくなり、建設業界などでは生コンの品質低下が懸念されている。 こうした中、同社では遮熱塗料の使用を決め、生コン車温度抑制塗料「ファームバリア」を導入。同製品は、国土交通省が新技術活用に向けて情報を共有・提供する新技術情報提供システム(NETIS)に登録されている。 塗装に1台当たり1週間程度を要するため、徐々に塗装台数を拡大。7月から開始し、10月29日時点で、同社保有のミキサー車全11台のうち10台まで完了した。 金塚社長は「東京都内は大手企業が仕事を占めており、高いレベルの品質が求められている。同時に、外気温は高くなり、生コンへの影響が懸念されていた」と話す。 同社では遮熱塗装のほか、荷下ろし中に生コンの残量を表示する「生コン㎥計」を導入するなど、品質向上に向けた取り組みを展開。 更に、生コン輸送業界内で先んじてGマーク(安全性優良事業所認定)やグリーン経営認証を取得し、健康経営や働き方改革への取り組みなども積極的に推進している。 金塚氏は「効果として目に見えにくいものもあるが、積極的に取り組むことで荷主へのPRにもつながる。10月に設立10周年を迎えたが、10年間で世の中の輸送への意識が変化し、生コンの温度計など今まで取り組んできたことが徐々に注目を浴びるようになってきた」と話す。 【写真=遮熱塗装を施したミキサー車にはステッカーを貼付(ちょうふ)】