ダイセーログ、「AI配車」本格運用へ 杉戸センターに1月導入 経常利益率5%めざす
物流企業
2018/11/19 0:00
ダイセーロジスティクス(ダイセーログ、田浦辰也社長、東京都文京区)は2019年12月期に、大命題の売上高経常利益率5%を実現するための施策を矢継ぎ早に実行する。最重点施策である「適正な運賃・料金の収受」をはじめ、「AI(人工知能)配車」の本格運用並びに「総合配車システム」も稼働。経常利益率を向上させる数々の取り組みと並行し、全国ネットワークの構築を見据えた設備投資も強化していく。(沢田顕嗣) 18年12月期は売り上げが100億円の大台を初めて突破する勢いで推移しているが、経常利益は4億円程度にとどまる見込み。燃料費や人件費の高騰を十分にカバーできず、目標の利益率をクリアするのは困難な見通しとなっている。物流業界は今後もコストアップ要因が目白押しで、運賃・料金を現行よりも20%引き上げる交渉に注力。値上げ分は労働環境を改善する原資に充てる。 更に、車両と人の効率化を目的にAI配車にも着手。杉戸R&Dセンター(埼玉県杉戸町)で1月から導入する計画で、配車時に人手が介在する割合を現在の30~40%から5~10%に低減。これにより配車に要する時間を3時間から1時間に短縮させるのに加えて、従来の属人的な配車業務を新人やパートでも手掛けられるようにする。 AI配車は同拠点の運用状況を見極めた上で、19年12月期中に相模原ハブセンター(相模原市中央区)及び関西ハブセンター(大阪府高槻市)にも導入する。菓子共配を手始めに雑貨や一般貨物の業務にも活用していくほか、将来的には配車の業務を杉戸R&Dセンターに一元化する構想を描く。 また、主要顧客の大手食品メーカーから受託している業務を対象に総合配車システムも来春をメドに立ち上げる。現在は5カ所の拠点で個別に行っている配車業務を1カ所に集約するのが主眼で、低コストで高品質かつ適法なサービスを提供。システムの運用に先駆けて1月に配車チームを発足させる予定だ。 併せて、国内を舞台に最低でも3カ所にセンターを新設。1月の沖縄ハブセンター(沖縄県豊見城市)に続き、4月には埼玉県幸手市と群馬県玉村町に同時稼働。東北地区への初進出も計画している。 このほか、中期レンジでは茨城県と埼玉県所沢市の周辺への展開も視野に入れる。 19年12月期は一連の施策を実行し、売り上げが110億円程度、経常利益率は5%超を見込む。 【写真=AI配車の実証試験(杉戸R&Dセンター)】