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鹿ト協、自動運転トラック 過信禁物 あくまで支援 技術開発の現状学ぶ

団体

2018/11/19 0:00

 【鹿児島】鹿児島県トラック協会(中村利秋会長)は8日、自動運転トラックセミナーを開き、自動運転の政府目標や技術開発の現状と課題を踏まえ、トラック運送業界の将来を展望した。(武原顕)  セミナーは、物流効率化委員会(岡本孝志委員長)が中心となって企画したもの。国土交通省自動車局技術政策課の平沢崇裕・自動車運転戦略官、日野自動車技術研究所の榎本英彦主査を講師に招いた。  政府目標である2025年の完全自動運転を見据えた市場化、サービス実現に向けた全体のロードマップを踏まえ、論点として①安全性の確保②高速道路でのトラックの隊列走行の実証実験③道路交通法令を順守するための交通ルールの在り方④走行記録装置の義務化など事故発生時の責任の明確化――などを挙げ、今後の改善課題を示した。  平沢氏は「自動運転の技術を過信してはならない。現段階では『運転支援』のレベルと考えている」と指摘。実用化へ多くの課題を克服している現況を報告した。榎本氏も「技術開発は運転支援の延長線上にある」とし、大型トラック特有の運転特性など様々な課題を解決するための技術開発を説明した。  質疑応答では、「政府目標の達成見通しは」「長距離輸送における拘束時間の削減の課題にどう対応できるか」の質問が出た。平沢氏は、物流サービスで実現が期待される時期に触れ、高速道路でのトラックの完全自動運転(レベル4)は25年以降に設定されていることの理解を求め、改善基準告示についてはコメントを避けた。  また、「車両価格に対する税制上の優遇措置や補助金制度が必要」「隊列走行で割り込みを回避できる技術はできたのか」といった問題提起があるなど、実現に対する期待と不安が交錯。一部で早期実現を疑問視する声も目立った。  鳥部敏雄副会長は「自動運転は大きな技術革新の分野である。個人的にはトラック輸送の導入時期は不透明だと感じているが、自動運転の時代は必ず到来する。将来に備えよう」と述べた。 【写真=自動運転の実現に対する期待と不安が交錯】





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