萬運輸、大型CNG車導入 東日本で初 航続距離500キロ
物流企業
2018/11/15 0:00
萬運輸(東海林憲彦社長、横浜市鶴見区)は6日、大型CNG(圧縮天然ガス)トラックを導入し、東京ガス、いすゞ自動車首都圏(小河原靖夫社長、東京都江東区)とともに、横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区)で関係者や一般来場者に披露した。東京ガスによると、大型CNGトラックの導入は東日本では初めて。航続距離は東京―大阪に匹敵する350キロ。11月中にも、神奈川県内の自動車部品輸送で使用を始める。 萬運輸が導入したのは、いすず「ギガCNG―MPIGカーゴ」。軽油を燃料とするトラックに比べ、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOX)の排出が少なく、粒子状物質(PM)もほとんど出ないのが特徴。車体にエルエーシー(村井秀世社長、東京都町田市)製の「オートボディプリンター」でプリントを施したデザイントラック仕様となっている。 萬運輸は2007年に環境管理の国際規格ISO14001を取得。環境方針の基本理念に「環境保全に向け、企業市民として貢献するサスティナブル(持続可能)カンパニーを目指す」と規定するなど、環境保全に向けた取り組みを重視している。 同日の披露会には関東運輸局、神奈川県、横浜市、環境優良車普及機構(LEVO、岩村敬会長)からも関係者が出席。 あいさつで、東海林社長は「既存車両との価格差と燃料供給インフラが課題。中小運送事業者にとって負担は大きいが、横浜市で大型CNG車の導入事例が無いことから、企業市民として行動で示すことが重要と考えた」と強調。 関運局の森高竜平自動車交通部長は「新たな技術は、いかに実装して社会に役立てていくかが重要。萬運輸はまさにそれを体現している。今後も創業以来の進取の精神を掲げて次世代につなげて欲しい」と述べた。 続いて、いすゞ自動車首都圏の山本信夫常務執行役員が、萬運輸横浜営業所の阿部茂樹所長にゴールドキーを贈呈。テープカットには東海林氏のほか、東京ガスの森雅晶NGV事業室長、県環境農政局の加藤洋大気水質課長、市環境創造局の山本恵幸・大気・音環境課長、LEVOの林敏博理事長らが臨んだ。 萬運輸では20年前、横浜市の放置自転車撤去業務で初めてCNGトラックを導入。現在、横浜営業所で3台が運行している。今回導入した大型CNG車も同営業所に配置して、主に県内の自動車部品輸送に使用。燃費や航続距離などの性能を検証していく。 披露会場では、大型CNG車以外にも色とりどりのデザイントラック4台を展示。観光客らに運送事業者の取り組みをアピールした。(吉田英行) 【写真=大型CNG車の前で、テープカットに臨む東海林社長(中央)ら】