首都圏大規模取り締まり/車厳令違反が40%減 「荷主が積ませない」 1都3県18カ所で実施
行政
2018/11/15 0:00
国土交通省、首都高速道路(宮田年耕社長、東京都千代田区)、東日本高速道路(小畠徹社長、同)と警視庁、千葉・埼玉・神奈川県警などは9日、道路法に基づく車両制限令と道路交通法の違反に対する首都圏大規模同時合同取り締まりを計18カ所で実施した。措置命令、指導警告を合わせた車両制限令違反は30件で、17年度に比べ18件減少。荷主に対する罰則強化、啓発活動が効果を上げたとみられ、取り締まりを受けたトラックドライバーからは「積みたくても荷主が積ませてくれない」との声が聞かれた。(田中信也) 東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県で、道路管理者と所轄警察が一体となり取り締まった。国交省、首都高などの道路管理者や4都県のトラック協会などで構成する「大型車通行適正化に向けた関東地域連絡協議会」が主体となり、実施している。 首都高6カ所、東日本高速管内3カ所、中日本高速道路(宮池克人社長兼CEO=最高経営責任者、名古屋市中区)管内2カ所、国交省管理の直轄国道5カ所、東京都道1カ所、埼玉県道1カ所で、午前10時~11時30分に一斉に行った。 このうち4カ所を報道陣に公開。中日本高速が管理する東名高速道路の東京料金所(川崎市宮前区)では、過積載など違反の疑いのある車両を重量計量所に誘導し、重量や軸重、長さなどを測定した。今回、措置命令1件、指導警告2件の計3件の違反があった。 ただ、例年より測定される車両は少なかった。また、取り締まりを受けたドライバーの1人は、積載超過が無かったと告げられるや「そうでしょう。今はこっちが積みたくても(荷主が)積ませてくれない」と本音を漏らした。 関東地域連絡協議会でも、重量超過に対する荷主責任を啓発する取り組みを強化しており、過積載に対する荷主側の意識に影響を与えていることがうかがえた。一方で、積載方法が不適切な車両に対しては、その場で積み直しや固縛を指示した。 今回は延べ89台を計測し、違反が30件と前回より18件減った。内訳は、措置命令12件(13件減)、指導警告18件(5件減)。なお、道路運送車両法に基づく改造車両の取り締まりも併せて行い、2台に対し整備命令を出した。 【写真=対象となりそうな車両を誘導し、軸重などを測定(東名高速東京料金所)】