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日貨協連、ロボット点呼の実証実験 東京・岐阜の事業者で初 法的妥当性・効率化探る

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2018/11/08 0:00

 法的にはまだ認められていないロボット点呼の本格的な実証実験が11月から来年1月にかけ、東京と岐阜の事業者で初めて行われる。日本貨物運送協同組合連合会(吉野雅山会長)が進めているIoT(モノのインターネット)・AI(人工知能)に関する調査研究の一環。少ない人数で生産性を高める手段として注目されるRPA(ロボットによる業務自動化)の活用による点呼業務の法的妥当性と効率化・高度化の可能性を探る。(北原秀紀)  10月31日に開かれた日貨協連の「安全対策強化に向けたIoT・AI技術の活用の在り方に関する調査研究委員会」の第2回会合で説明し、実施要領などが了承された。  実証実験に使用するRPA技術には、ナブアシスト(望月明夫社長、前橋市)が導入支援を手掛けているロボット「ペッパー」を点呼に活用。点呼項目のうち①画像認識技術による本人確認②アルコールチェック③免許証チェック④体調チェック⑤睡眠状態のチェック⑥指示伝達⑦点呼記録簿の作成――を行う。実際の業務であるため、運行管理者らとともに合法的に実施しながら、点呼支援ツールとしての可能性、法的に認められるための条件などを整理する。  実験ではドライバーが通常の点呼とペッパーによる点呼を受け、終了後にアンケートに記入する。  会合では、同じ手順で繰り返し行われる作業にRPA技術「ロボカル」を導入し、作業時間を4分の1に短縮している西濃運輸(神谷正博社長、岐阜県大垣市)の事例も紹介された。  点呼には乗務前点呼と乗務後点呼があり、いずれも運行管理者などとドライバーの間で「対面」で行うことが義務付けられている。  宿泊を伴う運行などについては対面が困難なため、Gマーク(安全性優良事業所認定)取得事業者にはテレビ電話のようなIT(情報技術)点呼や、事業者間での受委託・共同点呼が認められているが、実際に導入している事業者は少ない。  深夜、早朝、休日にかかわらず、出発・帰着に合わせて点呼をしなければならないため、運行管理者らの長時間労働の原因の一つにもなっている。 【写真=第1回調査研究委員会で行われたロボット点呼の実演(8月3日)】





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