国土交通省、港湾の高潮対策検討開始 リスク低減指針に反映
行政
2018/11/08 0:00
国土交通省は、台風21号の上陸により近畿地方の港湾が大きな被害を受けたことから、全国的な高潮対策を推進するための技術的な検討を開始した。 高潮による浸水被害が浸水対策の不十分な港湾で発生すると、日本の港湾物流ネットワークや、立地企業の生産活動が大きく停滞する可能性があることから、国交省は3月に「港湾の堤外地などにおける高潮リスク低減方策ガイドライン」を策定し、対策を推進する方向性を決めた。 ところが、台風21号による高潮の影響で、六甲アイランド地区のコンテナターミナルなどが浸水し、コンテナの航路や停泊地への流出や、荷役機械など電気系統設備の故障により、神戸港の港湾機能が著しく低下。これを受け、近畿地方整備局が高潮対策検討会を設置し、被害の把握、現象の解明、事前防災行動の課題の整理とともに、ハード・ソフト対策に関する検討を開始している。 港湾物流ネットワークの機能維持には、全国的な視点での対策の充実や技術的な検討が必要なことから、国交省は10月26日に「港湾における高潮リスク低減方策検討委員会」(岡安章夫委員長、東京海洋大学学術研究院教授)を発足。今回の台風21号による被害を踏まえ必要な対策を検討する。検討結果は港湾の堤外地などにおける高潮リスク低減方策ガイドラインなどに反映させる。(田中信也) 【写真=港湾における高潮リスク低減方策検討委員会を発足】