いすゞ、エルフ改良 故障の予兆を把握可能に 燃費向上&暖気時間短縮
産業
2018/11/05 0:00
いすゞ自動車は10月29日、小型トラック「エルフ」を改良して発売した。エルフシリーズで初となる通信端末「MIMAMORI」を全車に標準で搭載。コネクテッド化により、車両コンディションや故障の予兆を離れた場所から把握できるようにしたほか、そのデータを活用して予防整備をはじめとする高度純正整備「PREISM(プレイズム)」を受けられるようにした。(小瀬川厚) 2、3トンクラスのトラックとしては初めて、ステレオカメラを用いた衝突被害軽減ブレーキ(PCS)を搭載。自動車や障害物に加え、夜間の歩行者、自転車も検知するシステムを採用し、安全性を高めた。 市街地での比較的低い速度域で使用される小型トラックの特性を考慮し、立体視が可能なステレオカメラを装備。走行中、前方に危険が迫った場合、警告してブレーキ操作を促し、更に危険な状況になった時に自動でブレーキが作動して衝突被害を軽減したり、回避したりできるよう支援する。カメラを地上から1.5メートルのダッシュボード上に装着したことにより、車両前端から2メートルの距離で身長115センチ程度の子供を検知できるようになった。 自動ブレーキのほか、車間距離警報や車線逸脱警報、先行車発進通知機能などの安全装備も標準化。機械式オートマチック「スムーサーEx」搭載車には、誤発進抑制機能も備えた。 2016年排出ガス規制に対応した4JZ1型エンジンは、小型商用車初の燃料噴射量フィードバック制御、オイル劣化モニタリングなどの機能を採り入れ、燃費向上や暖気時間の短縮、オイル交換時期の延長を実現。性能や耐久性、信頼性を引き上げるとともに、ランニングコストを低減した。 シャシー回りの設計を見直し、エンジンとほぼ一体化した「近接DPD(ディーゼル微粒子除去装置)」と尿素SCR(選択触媒還元)の採用により、排出ガスのクリーン化と小型車で重要視される架装性向上を両立させている。 【写真=コネクテッド化と自動ブレーキで安全性、信頼性を向上】