物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

茨城適正化評議委、A・B評価11ポイント改善 運送業者は経営圧迫を懸念

団体

2018/11/05 0:00

 【茨城】適正化事業の巡回指導で、2018年度上期はA(良い)、B(やや良い)の評価の合計が17年度に比べ11.6ポイント改善されたことが10月26日、茨城県貨物自動車運送適正化事業実施機関の評議委員会(矢野裕児委員長、流通経済大学教授)で報告された。ただ、運送事業者側の委員からは「無理をしてAへの移行を目指すことが、経営の圧迫になるのでは」との指摘も出ている。(谷本博)  17年度はAとBの合計が全体の51.0%だったが、18年度上期には62.6%と10ポイント以上改善。D(悪い)とE(やや悪い)は17.0%から9.5%に減っており、ここ数年は一貫して改善傾向にある。  改善の進展に伴い、Gマーク(安全性優良事業所認定)取得率も向上。17年度で取得率23.6%と、関東地区平均の26.1%(全国平均は28.7%)に徐々に接近しており、2年後をメドに全国レベルへの引き上げを目指している。  ただ、運送事業者側の委員は「ドライバー確保は一層厳しくなる一方、運賃はほとんど上がらないのが現実。こうした中で、無理をしてAへの移行を目指すことが、経営の圧迫になるのでは」と指摘。事業者への「見えない負荷」を懸念し、コストを抑えて安全・安心を担保できるよう働き掛けていく必要性を訴えた。  巡回指導での指摘項目をみると、17年度に続いて「特定の運転者に対して特別な指導を行っているか」がワースト1位で、行っていない割合が52.6%を占める。ワースト2位は「特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか」となっており、これも17年度と同様だ。  小林幹愛本部長は「全ト協が作成した『トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン』では、24年度には年間の時間外労働が960時間超のドライバーを無くす計画。労働時間削減を目指すのは良いことだが、今年は災害が多かったため、時間外労働はおのずと増えたケースがあったはず」として、適宜対応していくことが求められていると指摘した。  また、矢野委員長は「最近は荷待ち時間の短縮が図られているようで、労働力不足の深刻化で荷主企業の姿勢に変化がみられる」と述べ、働き方改革の実現に向けた動きがドライバー確保につながってくることを期待した。 【写真=荷主企業に変化が出始めたことを指摘する矢野委員長】





本紙ピックアップ

暫定税率廃止法が成立

 ガソリン税(揮発油税)の暫定税率廃止法が11月28日の参院本会議で可決、成立した。ガソリン税での12月31日の廃止を規定するとともに、軽油引取税でも2026年4月1日に廃止することや、軽油の旧暫定税率廃止に当たって運輸…

農水省「備蓄米放出」、倉庫会社に保管料支援

 農林水産省は、政府備蓄米の放出に伴い本来の保管料を収受できなかった倉庫会社への支援を決めた。2025年度末までの保管料に加え、当初見込んでいなかった運送費用や、出庫を急いだことで生じた経費を支援する。その上で、同省は備…

車体課税見直し報告書、自治体の財源維持を

 総務省が設置している地方財政審議会の自動車関係税制のあり方に関する検討会(小西砂千夫座長、地方財政審議会会長)は11月21日、自動車の車体課税の見直しに当たって報告書を取りまとめ、地方自治体の財源として、引き続き重要な…

自動運転「L4」実用化PT、導入ガイドブック公開へ

 レベル4(L4、特定条件下での完全自動運転)トラックの2030年ごろの実用化に向け、大型車メーカー、大手物流事業者などで構成するプロジェクトチーム(PT)は、技術開発と走行環境の整備に向け、新東名高速道路で総合走行実証…

オススメ記事

暫定税率廃止法が成立

 ガソリン税(揮発油税)の暫定税率廃止法が11月28日の参院本会議で可決、成立した。ガソリン税での12月31日の廃止を規定するとともに、軽油引取税でも2026年4月1日に廃止することや、軽油の旧暫定税率廃止に当たって運輸…

農水省「備蓄米放出」、倉庫会社に保管料支援

 農林水産省は、政府備蓄米の放出に伴い本来の保管料を収受できなかった倉庫会社への支援を決めた。2025年度末までの保管料に加え、当初見込んでいなかった運送費用や、出庫を急いだことで生じた経費を支援する。その上で、同省は備…

車体課税見直し報告書、自治体の財源維持を

 総務省が設置している地方財政審議会の自動車関係税制のあり方に関する検討会(小西砂千夫座長、地方財政審議会会長)は11月21日、自動車の車体課税の見直しに当たって報告書を取りまとめ、地方自治体の財源として、引き続き重要な…

自動運転「L4」実用化PT、導入ガイドブック公開へ

 レベル4(L4、特定条件下での完全自動運転)トラックの2030年ごろの実用化に向け、大型車メーカー、大手物流事業者などで構成するプロジェクトチーム(PT)は、技術開発と走行環境の整備に向け、新東名高速道路で総合走行実証…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap