陸災防/全国大会、安全衛生水準の向上へ 荷役運搬の対策徹底 中小企業支援に注力
団体
2018/11/05 0:00
陸上貨物運送事業労働災害防止協会(渡邉健二会長)は1日、富山市で全国大会を開いた。大会宣言では①荷役運搬作業における対策徹底②交通労災防止③定期健康診断の完全実施と事後措置――など4項目の推進を申し合わせた。特に、安全衛生水準の向上に関しては、レベルアップ支援事業、中小企業個別サポート事業に力を入れる。(河野元) 開催地を代表し、富山県支部の綿貫勝介支部長があいさつした。この中で、小説や映画の題材になった黒部ダムに触れ、「現在も屈指の発電量を誇る。今日は地元企業、大高建設の川添将文土木部長が奥山での電源開発や砂防工事の安全対策について講演してくれる」と紹介し、貨物運送事業の試みと照らし合わせながら聴講するよう促した。 渡邉会長は「当業界の死亡労災は長期的には減少傾向にあるものの、2017年は137人に上り、16年に比べ38人増加した。墜落や転落、挟まれ、巻き込まれといったケースが多い。安全衛生水準の引き上げへ、更なる対策強化が必要」と本部、支部、会員事業者一体となった取り組みを表明。 他産業よりも脳・心臓疾患による労災補償が目立つ状況にも触れ、「メンタルヘルスも含め、健康障害を減らすため、関係業界と連携して積極的に啓発活動を展開する」とし、参加者へ力添えを求めた。 厚生労働省労働基準局安全衛生部の椎葉茂樹部長も、原点に戻った総点検の重要性を強調。併せて、労働安全衛生の行政動向について講演した。 北陸信越運輸局の板崎竜介局長は、昨年の新潟市に続く管内開催に謝意を示した。中部管区警察局総務監察・広域調整部の村井紀之部長、富山県の山崎康至副知事は、一層の組織発展へエールを送った。 表彰も行われ、安全衛生で優良賞13事業場、進歩賞32事業場、功労賞3人、功績賞28人、団体賞2事業場が受賞。このほか、永年勤続で6人、優良フォークリフト等運転者146人も表彰された。 4313作品の応募があった安全衛生標語の入選作も発表。荷役部門が亀井晃氏(甲陽物流、神奈川)、交通部門は阿部真希氏(岩代運送、福島)、健康部門では伊東弘人氏(野口運輸二本松営業所、同)の作品が入賞した。 この後、愛知県支部長を務める吉野雅山副会長が大会宣言文を読み上げ、全員の拍手で採択された。 また、荷役作業の事故防止へ、トナミ運輸人事部の森田知久課長が「トラック荷台からの転落防止の取り組み」と題し、事例を発表した。 【写真=安全衛生では優良賞13事業場を表彰】