日本郵便、目視外&補助者なし ドローン荷物配送 郵便局間9キロ試験飛行 費用対効果など検証
物流企業
2018/11/01 0:00
日本郵便(横山邦男社長、東京都千代田区)は、日本初のドローン(小型無人機)による荷物配送の本格運航に向け、10月29日から福島県の小高郵便局(南相馬市)―浪江郵便局(浪江町)の9キロのルートで、目視外による補助者無しの試験飛行を開始した。得られた飛行データは外部に委託し、ドローンによる荷物配送の費用対効果なども検証する。(田中信也) 政府の官民協議会が取りまとめた「空の産業革命に向けたロードマップ」での「2018年中をメドに離島や山間部でドローンによる荷物配送の実現」に向け、その第1号として実施するもの。 国土交通省航空局が9月、航空法に基づく許可承認の審査要領を改正したことで、必要な機体性能や安全対策の要件を順守することを条件に、目視外による補助者無しの飛行が認められるようになった。これを受け、日本郵便は東京航空局に申請、10月26日付で同省が承認した。 自律制御システム研究所製のマルチコプター「ACSL-PF1」を使用し、9キロのルートを飛行。承認期間は10月29日から1年間で、まずは本番環境での最終的な試験飛行として実施し、その結果を踏まえて本格運航に切り替える。11月5、6の両日には、日本郵便も参画する実施団体、郵便事業配送効率化協議会が試験飛行からデータを取得し、ドローンによる荷物配送の費用対効果を検証する。 なお、南相馬市は、国交省などが実施するドローンによる荷物配送の実証実験の実施地域に選定されている。このほかにも埼玉県秩父市、長野県白馬村、岡山県和気町、福岡市が選ばれており、白馬村では10月22日、山小屋に食料を配送する目視外・補助者付きでの実証実験を行った。そのほかの地域についても条件が整い次第、補助者無しでの飛行申請を行い、順次実施する見通しだ。 【写真=マルチコプター「ACSL-PF1」を使用し、郵便局間を飛行(イメージ写真)】