TDBC、人材シェア取り組み加速 WG活動 実証実験・会合重ね 夜間駐車場の不足解消も
物流企業
2018/10/29 0:00
運輸デジタルビジネス協議会(TDBC、梅村尚史会長)は23日、「先端技術による業務効率化」など六つのワーキンググループ(WG)の進ちょく状況と今後の方針などを報告した。日立物流などで構成するWG「人材不足の解消」は、複数の事業者間での人材シェアリングを大きなテーマに据え、取り組みを加速させる。(高橋朋宏) WG「人材不足の解消」は、「地域内での人材シェア」「人材シェアを可能とするプラットフォーム化(コントロールタワー)」「マルチ人間の育成(どの職場でも仕事ができるための教育制度の構築)」などの実現を目指してきた。 地域内での人材シェアでは、日立物流の営業所Aでは午前中に作業が集中し、近くの物流事業者Bでは午後に作業が集中するケースがあり、このようなケースでは人材をシェア(双方の業務を1人の従業員が担当)する余地があることが分かった。 今後、二重派遣とならない適正な仕組みづくり、従業員と業務のマッチングシステムの構築、従業員の移動手段の確保など、人材シェアの実現に向けて実証実験や会合を重ねていく。 また、同WGでは、空きスペースのシェアによる観光バスの夜間駐車スペース不足の解消にも取り組む。訪日客の増加で、客を降ろしてから翌日の送迎までの夜間(午後10時から午前8時)、観光バスを駐車するスペースが都心には非常に少なく、郊外の駐車スペースまでの移動距離が長くなっており、バスドライバーの拘束時間が長くなる原因となっている。 日立物流京浜営業所は都心の好立地にあり、夜間はヤードに空きがあることから、観光バスに駐車スペースの提供が可能。実地の確認などを経て実現に向かう。TDBCは物流だけではなく、バス・タクシー事業者でも構成し、運輸業界全般の課題解決を図っている。 WG「先端技術による業務効率化」は、課題や参加者が多いため、「先端技術を中心とした業務効率化」「実業務課題目線での効率化」に分かれて活動を展開していく。「MaaSへの取り組み」「乗務員の健康増進」「交通事故の撲滅とエコドライブ」の各WGもそれぞれの課題解決を目指す。 また、新規会員のトヨタ自動車やジャパン・トゥエンティワン(加藤充社長、愛知県豊橋市)など8社が自己紹介した。 【写真=各WGの代表者が課題解決へ向けた目標と進ちょくを発表】