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取引労働改善京都協、「変更届を提出」62% 運送約款調査 待機料金は未収受多く

団体

2018/10/29 0:00

 【京都】トラック輸送における取引環境・労働時間改善京都府地方協議会(久本憲夫座長、京都大学大学院教授)が行った改正標準貨物自動車運送約款に関するアンケートで、新約款適用による運賃料金の届け出は6割を超えたものの、待機料金などを収受できていないトラック運送事業者が依然として多い現状が明らかとなった。15日開いた会合で、2018年度の事業として実施したアンケート結果を報告した。  アンケートはコンサルティング会社がまとめたもので、府内のトラック運送事業者314社が回答した。それによると、「新運送約款の適用に伴う運賃料金届の提出」は62%で、「旧約款の認可申請」が14%、「いずれの手続きも行っていない」は24%だった。  新約款を提出した事業者のうち、「待機料金や積み込み料を収受できるようになった」は36%にとどまった。また、旧約款の認可申請を行った事業者のうち、「新約款では荷主と契約交渉ができない」「運賃交渉を申し出たが断られた」が合わせて28%で、現状では荷主交渉の場を持てない事業者が多数を占める。  事業者からは「荷主の理解が全く無いので、いくら交渉しても無理」「交渉しても回答してもらえないことが多い」など、荷主への理解を一層進めて欲しいという意見が相次いだ。  また、京都府トラック協会の荒木律也会長が「台風21号の際にはトラックが横転するなど、事業者も被害を受けた。運行を止めることは、荷主との関係もあり難しい。JRなどで計画的に運休することがあるように、運輸局のホームページに運送事業者の運行中止を周知してもらうなど、お願いできないか」と発言。  これに対し、近畿運輸局の後藤浩之自動車交通部次長は「今までは、『道路を走れるなら運べ』という風潮だった。トラックの運行を前もって止めることは難しいが、道路状況によっては運行を中止するなど、今後は措置を検討する必要がある」と応じた。(黒須晃) 【写真=荷主との交渉が十分に進んでいない現状が明らかに】





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