スカニアジャパン、現場の声を装備に採用 新モデル 乗り心地「最上級」 試験走行、地球300周分
荷主
2018/10/25 0:00
スカニアジャパン(ミケル・リンネル社長、東京都港区)は18日、9月に発売した新モデル「ネクスト ジェネレーション スカニア」のリジッド(単車)トラックのメディア向け試乗会を岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催した。(江藤和博) 冒頭で、リンネル社長は「新シリーズにはエアフルサスペンションを導入しており、最上級の乗り心地と操作性を確約できる。また、安全性は我々にとって最優先事項であり、補助ブレーキの流体式リターダは起伏の多い地形をこなすのに優れた選択肢だ。顧客の利益に貢献するというスカニアのコミットメント(約束)はディスクブレーキの標準装備にも反映され、メンテナンスの必要性が減り、オペレーションコストが減少する」とアピールした。 続いて担当者がプレゼンテーションを行い、「スカニアでは最初のシリーズを発売した1960年から4度目のフルモデルチェンジを行い、2500億円の投資と1250万キロメートル(地球300周分)の走行を行ってきた。81台が様々なマーケット(国)で試験走行して貴重なデータを取り込んでおり、自信を持って送り出せる車両だ」とアピールした。 新シリーズは、ドライバー環境、燃費、キャブ空間の最適化、安全性の各領域に焦点を当てて開発。完成ウィング車は、バックアイカメラ、コーナーアイ(左前側方カメラ)、流体式リターダ、LED(発光ダイオード)のヘッドランプやテールランプなどを標準装備。キャビンの安全性・居住性を高めたほか、サスペンションを一新してハンドリングを安定化させた。また、制動距離を従来より5%短縮し、燃費も2%向上させた(高速道路を時速70キロで走行した場合)。 細かな装備にも現場のドライバーの声を取り入れたのが特長で、荷台のリアフレームにラッシングベルトを組み込んだほか、荷室内に電気スイッチを設け、荷室からキャビンの、キャビンから荷室の照明をそれぞれ消灯できるようにした。また、旧型では手動式だったキャビンの開閉は、エンジンルームに備えられたボタンによる電動式になり、ドライバーの負担を軽減した。 キャビンはP、G、Rなどのシリーズがあるが、標準のPシリーズで「必要な装備は十分にそろっている」という。完成ウィング車(3軸)の寝台は旧シリーズよりやや狭くなったが、荷室高は2メートル60センチ、荷台の長さが9メートル60センチと広くなり、「国産の4軸低床車に対抗できる」とみている。 【写真=キャビンの開閉も電動式になりドライバー負担を軽減】