宮窪総合運送、完全週休2日制を視野 働き方改革に着手 ホワイト経営認証めざす
物流企業
2018/10/22 0:00
【愛媛】宮窪総合運送(渡部伸吾社長、愛媛県今治市)は10月から、働き方改革に向けた取り組みをスタートした。幹部社員を対象にした9日の会議で、今後の計画や方針を説明。5年後を目標に、完全週休2日制を柱とした労働環境の改善を図っていく。(矢野孝明) 同社の主力は、瀬戸内海の島しょ部への輸配送をはじめ、冷凍冷蔵、一般貨物の3部門。業務の中には、夜間運行や不規則な運行スケジュール、荷役・待機時間の長期化など、ドライバーが長時間労働を余儀なくされる事案がある。 時間外労働の上限規制が2024年4月に自動車運転業務にも適用されることを受け、働き方改革の推進を決定した。第1段階として管理職に意識改革を促し、方向性を共有。部門や営業所の境界を越えた連携により、合理化や効率化を図っていく。11月からは、クラウドによる社内の情報共有システムを幹部間で活用する。 最終的な目標として、全社員への週休2日制導入を掲げた。長時間労働になりがちな業務ではドライバーを増員し、個々の負担を軽減する。先行して4月からは、女性事務員が週休2日を実践している。 労働力確保の原資を得るため、運賃値上げに取り組んできた。大幅アップに成功した荷主もあり、今後も幅広く交渉を続ける構えだ。 また、他の物流企業などとの連携も視野に入れる。輸送業務の提携や荷物の中継輸送、物流センターや休憩施設の共有などで、長時間労働の是正や業務の省力化につなげたい考え。 松山一志専務は「ドライバーが働きやすい職場づくりは、これからの運送会社の責務だ。運行管理と同様に健康管理も大事で、今年から会社が健康診断の2次診断の費用を全額負担している。改革を段階的に進め、5年後にはホワイト経営認証の取得を目指す」と話している。 【写真=幹部社員を集めて今後の計画や方針を説明】