トラ隊列走行実証第2弾、長距離・こう配で荷物積載 世界初 車線維持技術を活用 上信越道&新東名で
行政
2018/10/22 0:00
経済産業、国土交通の両省は、後続車有人のトラック隊列走行で第2弾となる公道実証を、11月6日から上信越自動車道で、12月4日からは新東名高速道路で、それぞれ実施する。上信越道では100キロ超の長距離かつ急こう配やトンネルのある多様な道路環境で、荷物を積載して技術検証を行う。一方、2回目となる新東名での実証は、CACC(協調型車間距離維持支援システム)に加え、世界で初めてLKA(車線維持支援システム)を用いた実証実験にも取り組む。(田中信也) 後続車有人の隊列走行は、複数メーカーの車両による世界初の公道実証を1~2月に新東名の浜松サービスエリア(SA)―遠州森町パーキングエリア(PA)で、北関東自動車道では壬生PA―笠間PAで、それぞれ実施。今回の公道実証では、2019年1月に予定している後続車無人隊列走行のシステム開発に向けた技術実証や、21年の後続車有人による商業化を視野に行う。 隊列は全長160メートルで、今回も国内メーカー4社(日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス)の大型トラック(全長12メートル)を4台使用する。 上信越道での実証は、藤岡ジャンクション(JCT)―更埴JCTの119.1キロの区間で実施。山間部が多くを占めるため、最大6%の高低差、半径480メートルのカーブ、トンネルが連続するといった道路環境を生かした技術実証を行う。11月6~22日の平日に延べ30回走行させる予定。また、負荷を想定し、車両総重量が20トンとなるように荷物を積載する。 一方、新東名では前回同様、浜松SA―遠州森町PAの10.0キロを、12月4~6日に延べ20回の走行を計画。今回はCACCに加え、白線を検知して車線内での走行を維持できるようステアリングを調整するLKAの技術を実証する。 更に今回も、周囲を走行する車両のドライバーからの視認性や印象、追い越しなど周囲の車両の挙動に及ぼす影響について確認する。 なお、両区間での総走行距離は3873キロとなる予定で、前回の計845キロから大幅に拡大される。また、前回は他の車両による隊列への割り込みが新東名で2回、北関東道では20回、発生したことなどを踏まえ、ポスターの掲示やチラシの配布などで道路利用者へのPRを一層強化。 隊列を見かけ、アンケートに答えたドライバーには、プレゼントを贈呈するキャンペーンも行う。 【写真=総走行距離は前回の845キロから大幅に拡大した3873キロとなる(一部画像処理、三菱ふそうトラック・バス提供)】