タイセイ、冷凍コンテナのフルトレーラ導入 大型車2台分積載 運行中に温度確認可能
物流企業
2018/10/11 0:00
タイセイ(大西昭範社長、埼玉県戸田市)は冷凍コンテナの全長21メートルフルトレーラを導入した。少子高齢化によるドライバー不足をにらみ、2年半かけて実現した。トラックメーカー販社によると、大型車2台分(32パレット)の積載を可能とした冷凍コンテナのフルトレは全国初という。(谷本博) フルトレに32パレット積載するためには、前側の車両に18パレット積まなければならないが、冷凍車の特性上、ベッドレスキャブを採用しただけでは内寸が足らず、16パレットしか載せられない。このため、コンテナメーカーや冷凍機メーカーと設計を見直し、18パレット積載を可能とした。これにより、前側車両に18枚、トレーラ(後ろ側車両)に14枚の合計32枚を実現した。 冷凍車の積み下ろしは、トレーラ部分を切り離して作業する必要がある。そこで、45秒で伸縮する海外製の電動補助脚装置を取り付けた。この装置を作動させながら切り離し作業を行うことで、大幅な時間短縮と作業効率向上につなげ、ドライバーの負担を減らした。 冷凍トレーラは通常、キャビン内で庫内温度を確認することができない。トラブル時にタイムリーに対応するため、トレーラ(後ろ側車両)用の温度計を取り付けた。また、温度計だけでは温度上昇時に対応できないため、3種類のランプ(赤=異常、黄=注意、青=正常)を設置、運行中でも常に冷凍機稼働状況や温度を確認できるようにした。 更に、一般的な21メートルのフルトレでは冷凍設備の関係でフェリーに乗れないため、車両全体のサイズに加え、部品の取り付け位置まで計算して設計し、乗船を可能としている。 大西社長は「この車両が稼働することで、CO2(二酸化炭素)の排出量が30%以上削減される。労働災害に配慮し、引き出し式のはしごを取り付けたことで、荷台への乗降を安全に行えるようにもしている」と話している。 【写真=全国初とみられる冷凍コンテナの連結フルトレ】