松本運輸機工、物流機器・試作車を輸送 宅配会社を年内に立ち上げ 定年ドライバー再雇用
物流企業
2018/10/08 0:00
【神奈川】松本運輸機工(松本義弘社長、神奈川県平塚市)は、物流機器と自動車試作車の輸送業務を本格的に開始している。また、年内にも軽自動車による宅配をメインに手掛ける新会社を立ち上げ、定年を迎えたドライバーを積極的に再雇用する。(吉田英行) 物流機器輸送は、9月から開始。千葉県の物流機器メーカーの拠点から関東一円の物流現場に台車、かご車、パレット、空調機器などを輸送する。リースアップした物流機器やメンテナンスが必要な機器の引き上げも行う。 当面は4トン車2台によるスポット輸送だが、自社の配送網に組み入れて効率的な配車を行うことも視野に入れる。 物流機器はリースが多いため、納品だけでなく、リースアップ時の引き上げや定期的な補修や部品交換に伴う引き上げ需要を見込む。 関東では、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿いなどで大型物流施設の建設が進んでおり、通信販売の拡大を背景に、物流機器の需要も増えるとみられる。松本運輸機工では自社車両の増車や協力会社との連携で、今後の物量増に対応していく方針。 試作車輸送は、神奈川県の研究施設と保管場所との往復が基本で、1台積みのキャリアカー1台を導入した。年内にも、もう1台増やす予定。松本社長の長男である松本篤志取締役が、モーターショーなどに展示するコンセプトカーを製作する自動車試作会社の役員を務めていたことがあり、今回の試作車輸送業務の受注につながった。 年内に立ち上げる新会社は、軽冷凍車や2トン車など10台程度でスタート。主に、高齢者宅や高齢者施設への食品配送、通販のギフト系商品の宅配などを手掛ける。 自社で定年となった65歳以上のドライバーから希望者を募り再雇用するほか、他社を定年退職したドライバーも積極的に受け入れる。2019年4月をメドに本格的に事業を始める計画。 内閣府によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、16年10月1日時点で27.3%。36年には33.3%に達し、3人に1人が65歳以上となる。 松本社長は「物流業界の若年層労働力不足が深刻化する一方で、65歳以上が働ける職場が少ないのが実情。65歳以上を『第二の労働力』として活用し、年金を受け取りながら働いてもらえる職場づくりが必要」としている。 【写真=導入した試作車輸送用キャリアカー】