四運局、高速バスでの貨客混載を探る 誤着荷物など 小口便メインに
行政
2018/10/08 0:00
四国運輸局は9月27日、高松市で高速バスを活用した貨客混載事業の可能性を探る勉強会を開催した。物流事業者9社、高速バス会社6社が集まって意見を交換し、誤着荷物など小口便をメインに高速バスの活用を検討していく。 四運局の中本隆交通政策部長は「貨客混載は、自動車運送業の生産性向上プランの一つ。四国では中山間地域に例があるが、4県の県庁所在地を結ぶ高速バスのネットワークを貨客混載に活用して生産性向上や物流効率化につなげようと勉強会を開いた。有意義な形にしていきたい」とあいさつした。 四国では、日本郵便(横山邦男社長、東京都千代田区)が高知県で、ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)は徳島県で路線バスと提携した貨客混載に取り組んでいるが、高速バスはまだない。4県の県庁所在地を結ぶ路線は、バス会社6社合計で1日当たり56回運行されている。 高速バス会社からは「日中は乗客が少なく、トランクルームにも空きスペースがあるので問題ない」「便数があるので誤配貨物などにも対応できる」などの意見が出た。BtoB(企業間)輸送を主力とする物流事業者からは「トランクルームのスペースが限られているので企業荷物は難しい。誤着貨物や積み残し貨物など小口なら可能ではないか」とする声が上がった。このため、四運局では今後、小口貨物を扱う特別積合せ事業者などに参加企業を絞り、次回の会議を検討する。 国土交通省は物流総合効率化法のモーダルシフト等推進事業の一つとして貨客混載を優先的に採択する方針を示している。四運局は意見交換の前に、貨客混載の制度概要などとともに、物効法の最新動向を説明。また、ヤマト運輸や日本郵便、佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)の担当者が全国で手掛ける事例を発表した。(江藤和博) 【写真=貨客混載の制度概要などとともに、物効法の最新動向を説明】