国交・経産省/空飛ぶクルマ官民協議会、「箱の規格化」で普及促進
行政
2018/10/08 0:00
国土交通、経済産業両省は2日、「空の移動革命に向けた官民協議会」の第2回会合を開催した。「空飛ぶクルマ」の実現に向けた取り組みのロードマップの策定に向け、関係するメーカー、ベンダー(供給事業者)、団体などにヒアリングし、楽天がeコマース(電子商取引)物流での活用ケースを提案した。 楽天AirMap(東京都世田谷区)の向井秀明社長が説明。「倉庫間や倉庫から配送営業所までの長距離かつ輸送量の多い区間では空飛ぶクルマ、個人宅までの配送はドローン(小型無人機)の役割分担が想定される」と解説。「空の物流」では①荷室の利用効率向上②物流用機体の開発スピードと効率の向上③ドローンとの連携――のメリットがあるとして「箱の規格化」の重要性を主張した。 また、年内のロードマップ策定に向けた意見交換も行われた。鈴木真二・東京大学大学院教授は技術開発とともに市場の確立が不可欠として「第2次世界大戦後、航空機が大量に余剰した際、旅客機に転用できた欧州に対し、鉄道網が発達していた米国は政策的に郵便物の輸送に活用することで需要を生み出した。空飛ぶクルマも官民挙げて(需要の開拓に)取り組む必要がある」と指摘。向井氏は「普及にはメーカーの協力が欠かせないので、ロードマップに利用ケース別で機体の規格を提示してほしい」と要望した。(田中信也) 【写真=ロードマップの策定に向け、関係するメーカー、ベンダー団体などにヒアリング】