東京R&D、FCトラックの公道実証 国内初 天神地区共同輸送と協力 福岡市が水素供給
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2018/10/04 0:00
EV(電気自動車)の研究・開発を手掛ける東京アールアンドデー(東京R&D、岡村了太社長、東京都千代田区)とグループのピューズ(竹田清人社長、同)は、福岡市、天神地区共同輸送(二又茂明社長、福岡市東区)と共同で燃料電池(FC)小型トラックの公道実証に着手した。(上田慎二) プロジェクトには天神地区共同輸送が参画。九州最大の商業地、福岡市で共同集配を担うFCトラックの「イエローバード号」で実用化に向けたデータを集める。9月27日、市の中部水処理センター(中央区)にある水素ステーションで、トラックを公開。市によると、FCトラックの公道走行は国内初という。 FCトラックは、東京R&Dとピューズが環境省による「CO2(二酸化炭素)排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の採択を受け、いすゞの小型トラック「エルフ」3トン車をベースに開発。水素と空気中の酸素との反応でつくった電気をリチウムイオンバッテリーに蓄え、モーターを駆動させて走る。 CO2やNOX(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)が排出されず静音性にも優れ、1回の水素充てん(約5分)で150キロを走行できる。 公開実証の期間は10月から3カ月間。「水素リーダー都市プロジェクト」を進める福岡市が、中部水処理センターで下水バイオマスから製造した水素を供給する。 同日、中部水処理センターにある水素ステーションで公道実証の開始式典が行われ、岡村社長が「電動化に利用できる水素は、ためて移動できる有望なエネルギー。FC車の歴史は始まったばかりで忍耐強く取り組む必要がある」とあいさつ。FCトラックに試乗した福岡市の高島宗一郎市長は「普通のトラックに比べてとても静か」と感想を語った。 天神地区共同輸送の二又社長は「地球温暖化対策と大気汚染防止は業界の重要課題だ。究極のエコカーとされるFCトラックの実用化に協力し、環境負荷の低減に寄与したい」と述べた。 【写真=FCトラックと記念撮影に納まる(左から)ピューズの竹田社長、福岡市の高島市長、東京R&Dの岡村社長、天神地区共同輸送の二又社長】