物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

厚労・国交省/指針策定、取引環境改善手法を示す 事業者・荷主で問題共有

行政

2018/10/01 0:00

 厚生労働、国土交通の両省は、取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドラインを10月にも策定する。トラック事業者と荷主企業の問題意識共有から課題の把握、具体的な取り組みまでの7段階の手法や、荷待ち、荷役、拘束時間の削減などに向けた入出荷情報の提供、輸送・作業の分離、集配の集約、業務の平準化を実現する13の対応例を提示。策定後、説明会やセミナーを全国で開催し、トラック事業者、荷主企業の双方への周知を図る。(田中信也)  9月27日に開いたトラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会(野尻俊明座長、流通経済大学学長)とトラック運送業の生産性向上協議会(同)で、ガイドライン案を提示した。  ガイドラインは、取引環境と長時間労働改善に向けた取り組みの進め方を示した上で、実際の現場での改善に向けた対応を類型化。改善に向けた対応については2016、17年度の2カ年にわたり都道府県単位で実施したパイロット事業を踏まえて事例を提示するとともに、具体的な内容を取りまとめた別冊の事例集も作成する。  改善に向けた取り組みは、①荷主とトラック事業者の双方で、ドライバーの労働条件改善の問題意識を共有し、検討の場を設ける②労働時間、特に荷待ち時間の実態を把握する③荷待ち時間の発生など長時間労働になっている原因を検討、把握する④荷主、トラック事業者の双方で業務内容を見直し、改善に取り組む⑤荷主、トラック事業者間での応分の費用負担を検討する⑥改善の成果を測定するための指標を設定する⑦指標の達成状況を確認、評価することで更なる改善に取り組む――のステップで、これを絶えず繰り返し、定着させる。  また、長時間労働を誘発する原因である「発荷主の出荷時間が遅れ、荷待ち時間が発生する」「発荷主からの配車指示が遅い、または突発的で、計画的配車ができない」「発荷主の要求するリードタイムが短すぎる」「着荷主の庭先で荷待ち時間が発生する」「一般道を走行している」を改善する対応例として、荷待ち時間や荷役時間、拘束時間の削減、安定輸送の確保につながる13事項に類型化し、列挙する。  荷待ち時間の削減では「予約受け付けシステムの導入」「混雑時を避けた配送」、荷役時間の削減は「パレットの活用」を対応例として提示。拘束時間の削減では「荷主からの入出荷情報の事前提供」「幹線輸送と集荷配送の分離」「集荷先や配送先の集約」「軽易な作業部分の分離」「出荷に合わせた生産・荷造り」「荷主側の施設面の改善」「高速道路の利用」「発注量の平準化」「モーダルシフト」、安定輸送の確保に向けては「十分なリードタイムの確保」を挙げた。  具体的には、荷主からの入出荷情報の事前提供では受注締め切り時間前の受注状況の共有化や倉庫間の情報連携強化を、幹線輸送と集荷配送の分離は卸売市場の地域内配送や巡回集荷の外部委託を、発注量の平準化の取り組みでは1日当たりの出荷台数の抑制による入荷量の調整などを、それぞれ取り上げている。  また、別冊の事例集は「品目」「取組」「都道府県」で検索できる構成とする。  今会合での委員からの意見、指摘を踏まえ一部修正の上、10月以降にガイドラインを正式に策定。18年度中に開催される都道府県単位の取引環境・労働時間改善地方協議会で荷主団体に説明するとともに、全国数カ所でトラック事業者、荷主企業を対象としたセミナーを開催し、ガイドラインの周知徹底を図る。  厚労、国交の両省による改善協議会を軸とした取引環境と長時間労働改善の取り組みは、15~18年度の4カ年を予定していた。しかし、働き方改革関連法の成立により、トラックを含む自動車運送事業に時間外労働の罰則付き上限規制が24年4月に適用されることになったため、ロードマップを改訂。23年度まで5年間延長して改善協議会を引き続き開催し、ガイドラインに基づく助成事業の計画・検証、ガイドラインの横展開、現在実施中のコンサルティング事業や19年度に新たに始める予定のアドバンス事業(仮称)の実施などに取り組んでいく。 【写真=取引環境・労働時間改善中央協議会とトラック運送業の生産性向上協議会でガイドライン案を提示】





本紙ピックアップ

広域道路網に関する提言、重要物流道路の指定拡大

 国土交通省は16日、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(朝倉康夫部会長、東京工業大学・神戸大学名誉教授)の会合を開き、能登半島地震を踏まえた道路ネットワークに関する関係者へのヒアリング結果を明らかにした。緊…

全軽協、軽貨物フォーラム初開催

 全国軽貨物協会(西田健太代表理事)は17日、「軽貨物フォーラム」を初めて開催した。軽貨物業界の課題や話題を共有するとともに、業界内外の関係者による対談や講演を通じて課題を解消することを目的に開催。2025年度以降も、軽…

日本郵政G/24、25年度計画、物流へリソースシフト

 日本郵政グループは15日、グループ中期経営計画「JPビジョン2025」(21~25年度)について見直しを行い、24、25年度の2カ年を計画期間とした「JPビジョン2025+(プラス)」を発表した。「物流分野へのリソース…

アジア・シームレス物流フォーラム、74社・団体が出展

 日本マテリアルフロー研究センター(松川弘明会長)が主催する「アジア・シームレス物流フォーラム2024」が16、17の両日、東京流通センター(有森鉄治社長、東京都大田区)で開催された。「2024年問題」や物流DX(デジタ…

オススメ記事

広域道路網に関する提言、重要物流道路の指定拡大

 国土交通省は16日、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(朝倉康夫部会長、東京工業大学・神戸大学名誉教授)の会合を開き、能登半島地震を踏まえた道路ネットワークに関する関係者へのヒアリング結果を明らかにした。緊…

全軽協、軽貨物フォーラム初開催

 全国軽貨物協会(西田健太代表理事)は17日、「軽貨物フォーラム」を初めて開催した。軽貨物業界の課題や話題を共有するとともに、業界内外の関係者による対談や講演を通じて課題を解消することを目的に開催。2025年度以降も、軽…

日本郵政G/24、25年度計画、物流へリソースシフト

 日本郵政グループは15日、グループ中期経営計画「JPビジョン2025」(21~25年度)について見直しを行い、24、25年度の2カ年を計画期間とした「JPビジョン2025+(プラス)」を発表した。「物流分野へのリソース…

アジア・シームレス物流フォーラム、74社・団体が出展

 日本マテリアルフロー研究センター(松川弘明会長)が主催する「アジア・シームレス物流フォーラム2024」が16、17の両日、東京流通センター(有森鉄治社長、東京都大田区)で開催された。「2024年問題」や物流DX(デジタ…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap