総務省、再配達削減「評価指標に」 郵便サービス維持へ提言
行政
2018/09/20 0:00
総務省が13日開いた郵便サービスの維持を議論する委員会で、コンサルティングを手掛けるワークライフ・バランス(東京都港区)の小室淑恵社長が「(働き方改革に向けて)業績を評価する指標として、再配達削減への取り組みをどれだけ行ったかも加えるべき」と提言した。日本郵便(JP)の業務を規制する郵便法などを改正せずとも行える対策として再配達削減の取り組み評価を挙げた。提言には、多過ぎる研修を集約することや、各支社に決裁権を持たせることを盛り込んだ。 情報通信審議会の郵政政策部会郵便局活性化委員会(米山高生主査委員、東京経済大学教授)で提言内容を報告した。 小室氏は働き方改革に取り組む際のJPの課題として、ポストなど拠点が多過ぎること、異動が多くノウハウが蓄積されないこと、研修が多過ぎることなどを列挙。法改正をしなくてもできる対策として、再配達削減に向けた取り組みを評価するようにすることなどを示した。 加えて、JPが働き方改革に取り組む意義として、国民へのメッセージ性の高さを指摘。土曜日も稼働しなければならないことなど、法律による制約に触れ、生産性向上の障壁となるものについては改正を検討するよう要望した。 また、同委の冒頭で事務局は、総務省がJPの土曜日の配送廃止に向けた検討に入った、という一部報道に触れ、「総務省が検討に入ったという事実は無い。(同委では)郵便の維持に向け、幅広い議論をお願いしたい」と述べた。(辻本亮平) 【写真=課題として、ポストなど拠点が多過ぎることなどを示す】