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北海道地震から2週間、物流環境 依然厳しく 整備会社も社屋など被害 支援輸送は民間委託へ

荷主

2018/09/20 0:00

 北海道で最大震度7を記録した地震が発生し、20日で2週間が経過、ほとんどの事業者が営業を再開し、日常生活を取り戻しているものの、建物の損壊や道路の破損などで、物流事業を営むための環境は依然、厳しい状況だ。全道に及んだ停電は道内の99%で復旧しているが、北海道電力では、節電を呼び掛けている。(岡杏奈、那須野ゆみ)  こうした中、北海道災害対策本部(高橋はるみ本部長、道知事)は、自衛隊が行ってきた被災地への支援物資輸送を縮小し、15日以降は民間に委託。ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)の北海道ロジスティクス支店(北海道北広島市)を集約センターとし、札幌市(3カ所)、北広島市(2カ所)、厚真町(7カ所)、むかわ町(8カ所)、安平町(7カ所)、日高町(2カ所)に設置された計29カ所の避難所へ食料や生活必需品などを配送する。  室蘭地区トラック協会(成田俊彦会長)は13日、北海道トラック協会(奈良幹男会長)を通じて緊急物資輸送を実施。午前6時、苫小牧埠頭(橋本哲実社長、北海道苫小牧市)の晴海1号倉庫に集められた毛布や水、乾電池などの救援物資を、北ト協会員のトラック6台に積み込み、それぞれ厚真町や安平町、むかわ町などに輸送した。また、10日には、会員事業所に被害状況の報告と節電を呼び掛ける文書をファクスで送信しており、引き続き情報を収集していく。  トラックや一般車両などの整備を行っている林自工(林将告社長、札幌市清田区)は、6、7の両日に営業を停止したものの、定休日の土曜日に営業を再開。社屋と工場には40~50カ所の亀裂が入り、ひび割れも発生したが、12日までに全ての修復を完了している。同社は8月16日、新社屋と工場の営業を開始したばかりで、林社長は「被害は残念だが、前を向いてやっていきたい。周辺地域には復旧していないところもあるので、生活物資を届ける支援活動を可能な限り行っていきたい」と話している。  スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアへの配送を行っているエース(中野政嗣社長、北海道石狩市)では、6日午前7時に緊急対策本部(中野本部長)を設置。同社は、30キロリットルの容量を持つインタンクを保有しているものの、停電で使用できず、すぐに発電機をレンタルし、対応した。事務所内では、自社保有の発電機で従業員にスマートフォン(スマホ)を充電させたほか、一部のパソコンも稼働させた。  また、信号機が消灯していたが、助手を付けるなどして安全を最優先しつつ、全車両を稼働。中野社長は「緊急事態ではあったが、車両を止めることなく、スムーズに対応できた。今後更に物量が増えていくと予想されるが、安全最優先で全力投球していく」と力を込める。 【写真=土砂が車道を越え田んぼまで流入(14日)】





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