千葉市/共同荷さばき場実験、利用運転者96%「今後も」 更なる検討進め設置判断
行政
2018/09/10 0:00
千葉市が行った共同荷さばき場の社会実験で、利用したドライバー54人に「今後の利用の可能性」について聞いたところ、全体の96%が「利用する」と回答、共同荷さばき場の必要性・有効性が確認された。期間中は、実験の周知が進むにつれて利用者が増加。今後、配置計画や整備に掛かるコストなど更なる検討を進めた上で、設置の有無を判断する方針だ。 同実験は、2月5~16日に千葉市西銀座エリア(中央区)で実施。同エリアでは、トラックを路上に駐車して荷さばきしていたため、一般車両や歩行者は、これを避けて通らなければならず、安全確保が課題となっていた。再開発を契機に、共同荷さばき場の整備による効果や課題などを把握するため、社会実験を実施した。 共同荷さばき場は、富士見13号線の路上と三越第2駐車場に設置。利用状況を9日間調査し、同期間中に、集配追跡調査とドライバーへのヒアリングを2日間、15日には路上駐車の実態調査をそれぞれ行った。 13年度に実施した同様の調査結果と比較したところ、同エリア(今回は共同荷さばき場を含む)に駐車して作業していたトラック台数は増加傾向にあった。また、共同荷さばき場は、2カ所合わせて1日平均30.5台が利用。また、利用台数は1週目が同26台、2週目は35台と、実験の周知が進んだ2週目の方が多かった。 一方、路外の三越第2駐車場と路上の富士見13号線では、平均集配距離と平均集配店舗数に違いがみられた。前者が1店舗当たり平均40メートルの集配距離、トラック1台当たり平均1.5店舗の集配だった一方、富士見13号線ではそれぞれ90メートル、2.5店舗だった。加えて、路外が半径150メートル、路上は同100メートルで道路環境の改善効果があったことから、集配特性を踏まえつつ、「西銀座エリア全体で効果を得られる配置計画の検討が必要」とした。 このほか、車両が大きくなるほど駐車時間が長くなることが判明。また、集配店舗数は調査対象の65%が1店舗集配だったことから、利用ルールの策定、共同集配システムの導入といった作業効率化なども、今後の検討課題に上がった。(井内亨) 【写真=共同荷さばき場は、富士見13号線の路上と三越第2駐車場(写真)に設置】