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富士物流、スリーブボックス活用 積載率向上&負担軽減

物流企業

2018/08/30 0:00

 富士物流(渡部能徳社長、東京都港区)の埼玉ディストリビューションセンター(DC、埼玉県鴻巣市)では、一部の梱包にスリーブボックスを採用し、積載率向上と庫内作業員の負担軽減を実現させている。これまでできなかった段積みを可能としたことで、トラックの便数は半減。今後、ボックスの数を更に増やし、取り扱い荷物量の増加などに対応していく方針だ。  埼玉DCは、富士電機の設備技術センター内に位置し、保管面積は1万9800平方メートルで、庫内従業員は70人。主に工業用配電機器と制御機器を扱い、同拠点から定期便、路線便でほぼ全国に輸送する。更に、東南アジアを中心とした輸出向けの製品も扱う。  スリーブボックスは岐阜プラスチック工業(大松栄太社長、岐阜市)が開発・販売し、富士物流では2014年春の発売開始時から採用。当時、各方面で増便があり、積載率向上に伴う便数削減が課題となっていた。これまで耐久性などの商品特性から段積みができなかったが、軽量で耐久性のあるスリーブボックスを幹線輸送で一部導入し、段積みを可能としたことで、積載率は2倍近く向上した。  採用しているサイズは、高さ1162ミリ(このうちパレットの高さは150ミリ)×幅800ミリ×奥行き1100ミリの標準サイズと、半分の高さのハーフサイズの2種類。パレットほどのサイズに折りたたむことができ、未使用時は余分なスペースを取らずに保管が可能だ。  同社では1段目にスリーブボックス、2段目には従来のパレットなど積載の組み合わせを工夫しており、無駄の無い積載と余分なボックス数の削減を図る。更に、ボックス内の製品は最小限のラップで済むため、庫内作業員からは「ラップ巻き作業の負担が減った」といった感想が聞かれたという。一方、出荷とともにボックスの回収が必要となるため、より効率的な回収を課題としている。  また、RFID(無線自動識別)を設置して入出荷を管理。誤出荷を防ぐとともに、ボックスの返却状況の把握などに活用している。将来的には、ボックス内の製品情報も管理できるようにしたい考えだ。(井内亨) 【写真=積載の組み合わせを工夫して無駄の無い積載と余分なボックスの削減を図る】





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