厚労省/障がい者雇用分科会、予算化視野に検討開始 支援センター機能強化へ 雇用担当者むけ相談支援
行政
2018/08/30 0:00
厚生労働省は22日の労働政策審議会の障がい者雇用分科会で、「障害者就業・生活支援センター」の機能強化など、障がい者雇用を促進する施策の実現に向けた検討を開始した。施策は「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」で報告書として取りまとめたもの。同センターの機能強化など、法整備を必要としない施策については、2019年度予算の概算要求に盛り込むことも視野に議論を進める。(辻本亮平) 同日の障害者雇用分科会(阿部正浩分科会長、中央大学経済学部教授)で、同研究会が取りまとめた報告書を基に議論した。報告書は、17年3月に決定した「働き方改革実行計画」を踏まえたもの。課題として、様々な障がいに対応した支援策や、職場環境の整備を挙げた。 報告書には、施策案として、週当たりの所定労働時間が20時間未満となる障がい者を雇用した場合の、企業への支援措置の創設などが盛り込まれた。地域での就労支援の強化に向けては、障害者就業・生活支援センターの機能を強化。特に中小企業を対象として、実際に障がい者雇用を担当している社員向けの相談支援を行うこととした。 中小企業での障がい者雇用については、一人も雇っていない企業が多いことを踏まえ、障がい者が働きやすい労働環境について、認証制度の創設を検討。加えて、障がい者を多く雇用している企業と、あまり雇用していない企業、双方の経済的負担を均等にする「障がい者雇用調整金」と「障がい者雇用納付金」の制度の適用範囲を、現行の「常用雇用労働者100人以上」から「同50人以上」に拡大することも掲げた。 分科会では、小出隆司委員(全国手をつなぐ育成会連合会副会長)が「障がい者を雇用する際、社内に福祉職の人が必要となる」と指摘。その上で、「雇用の観点の話だけでは済まない。医療と福祉も包括的に考えるような場が必要だ」と意見を述べた。 【写真=報告書を基に今後の方向性を議論】