城戸運送、急ピッチで復旧遂げ 豪雨災害 水没車両の代替確保 特殊車両は11月中
物流企業
2018/08/23 0:00
【愛媛】7月の豪雨で大きな被害を受けた城戸運送(城戸猪喜夫社長、愛媛県大洲市)が、急ピッチで復旧を遂げている。浸水した本社事務所を8月上旬に正常化させたほか、水没した車両も大半は代替のメドが付き、盆明けには災害前に近い状態で営業を再開した。(矢野孝明) 7月6日の豪雨で肱川が氾濫(はんらん)し、大洲市ではメインストリートを含め市街地などが広範囲で冠水。市内にある2730事業所のうち745事業所が浸水し、経済活動も数日間ストップした。 城戸運送でも本社1階と春賀営業所(同市)の事務所がともに2メートル近くの高さまで浸水。トラックも、全体の25%に相当する25台が水没した。 発災から3週間は土砂の撤去など片付けに追われたが、7月末には事務所の内装工事が完了した。オフィス家具や事務用品などを新たに用意し、盆明けには本社が、8月中には春賀営業所も通常営業を行えるまでに回復。 両拠点で合計25台のトラックが、ハンドルの辺りまで水に浸かり廃車となったが、早急に対応。全国各地から、新古車を中心に22、23台を買い集めた。 7月中に車検を受けてディーラーで順次架装を行い、8月10日ごろには登録が完了。8月後半から繁忙期に突入する荷主の仕事に間に合わせることができた。クレーンなど特殊車両も11月中にはそろい、年内には完全復旧できる見込みだ。 また、倉庫に置いてあった荷物が水に浸かったものの、荷物保険でカバー。このほか、情報システム関連では、浸水前にパソコンのサーバーを事務所の2階に移動させて、被害を免れた。 城戸社長は「この地域で過去に起きた台風被害よりも、上回る水位を想定して建てた事務所だが、それを超えた豪雨だった。『まさか』の事態が起きることを教訓にしなくてはならない」と強調。 更に「システムなど情報は無事だったが、ほとんどの書類が泥だらけになった。今後、許可や申請に関してトラブルが考えられるが、関係行政には配慮を求めたい。今回の豪雨災害に対して政府が激甚災害の指定を閣議決定したからには、水害対策の強化を早く進めて欲しい」と語っている。 【写真=浸水した事務所は7月末に内装工事が完了】